第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
27.Jury・Night:『Necromancer』U
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後ろだ、カインの末裔!』
「チ────気持ち悪ィモン、突き出してンじゃねェ!」
迎え、腕を絡めとり回転す。合気を発露する。体重も百キロは軽く超えていそうなその怪物が、腕力と体重を乗せた威力を逆手に取られて宙を舞う。
無論、見逃す訳の無い隙。即座に、長谷部を降り下ろし────
『流石に、あの鷹尾君を殺した腕前だ……まともに闘っては勝ち目はないか。しかし、それならばそれでヤりようもある!』
「野郎────!」
声は、やはり背後から。回り込まれ、体勢も崩している状態ではメスを躱せず。
駆け抜けた烈風纏う銃弾に、脂肪の塊の如き腕が弾けた。それにより辛くも、虎口を脱する。
『糞が、あの伯父貴が梃子摺った訳だ!』
代わり、窮地に陥ったのはコンテンダーを放ったセラ。本体を貫くよりも早く、速く。肥え太った巨体が彼女の背後を取っていた。
撃ち尽くした拳銃の弾倉を再装填していたセラが、涙子を投げ出す。無論、嚆矢に向けて。
過たず受け止め、代わりに────懐から取り出した、『南部式大型拳銃』を投擲する。やはりセラも過たず受け止め、背後の“悪逆涜神”に向けて。
『貰った!』
「ッ!?」
声は、嚆矢の背後から。同時に、頭が両手に抱え込まれた。即ち────
『『─────殺せ、奪え、犯せ! あらゆる“悪”は、人が。お前達が作り出したもの。故に、お前達にはあらゆる“悪”が可能だ!』』
「ア────ガ!」
外部音声をシャットアウトしつつ二方向から耳に、直接触れた口唇からの声が流し込まれる。精神を苛み、脳細胞を死滅させる恐慌の声が。
正に衝撃だ。直接、脳味噌を殴打されたような。正気を保てる筈など、無くて。
『『今、お前の腕の中に収まっている者を見ろ……そう、それだ! まだ蕾ではあるが、間違いなく雌だ! お前の為の饗餐だ、お前に貪られる為の生娘だ!』』
「ッ……ッ、俺の……為の?」
色を喪った視界で見る。確かに、そうだ。セーラー服の娘、黒く艶やかな長髪の。まだ青いが、確かに……“雌”だ。もう、楽しめるくらいには熟している。
笑う。嗤う。自然と、口角が釣り上がる。きっと、誰が見ても醜悪な笑顔だろう。そう、自覚出来る程に。下卑た笑いで、彼女を……涙子を見詰めながら。美しい娘である、誰がそれを否定できるのか。後、五年もすれば誰に憚りもあるまい。
「────釣れた釣れた!」
《────阿呆が、のう!》
『『な──────!??』』
刹那、突き立つ刃が二つ。長刃の|長谷部国重《は
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