第一章
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第一章
戦士達
彼等は戦場にいた。塹壕の中で今日も対峙している。
トレンチコートに平べったいヘルメットの彼等はイギリス軍である。彼等はその塹壕の中で冷えた硬いパンを食べながらだ。こう話をしていた。
「ドイツの連中はまた来るよな」
「来ない筈がないだろ」
「絶対に来るぜ」
「連中も勝たないといけないからな」
こうだ。彼等はそのパンをかじりながら話す。
そのうえで水筒を開けて古い水を飲んでだ。塹壕から頭を出して向こう側を見る。そちら側にも塹壕がある。それも幾重にもなっている。
その塹壕達を見ながらだ。彼等は話していく。
「何か違ってきたよな」
「ああ、敵も賢くなったよ」
「空かも来ればあの連中も戦車を使う」
「しかも毒ガスまである」
「親父や祖父ちゃんが言ってた戦争と違うな」
「それも全然な」
話にはぼやきが入っていた。そしてだ。
彼等はそれぞれ着ているトレンチコートも見る。そのコートはというと。
「この愛想のないコートだってな」
「昔は赤い奇麗な軍服だったんだろ?」
「それで何でこんな愛想のない色の愛想のないコートなんだよ」
「何にもならないじゃないか」
「何だよ、これって」
「確かに雨とかは防ぐんだがな」
それと防寒の為のコートなのだ。雨が降れば塹壕にそれが入り中は泥だらけになる。そうした中では濡れ身体が冷える。それを防ぐ為のコートなのだ。
それを着てだ。彼等は話すのだった。
「この塹壕で何時までもいるなんてな」
「嫌になるよな」
「ああ、本当にな」
「何時になったら終わるんだよ」
「人はどんどん死んでいくしな」
塹壕だけではなかった。敵味方の塹壕の間には無数の死体が転がっている。見ればイギリス軍のものもあればドイツ軍のものもある。先に角がある独特のヘルメットでだ。ドイツ軍とわかる。
両軍は互いに対峙している。その中で戦ってだ。何時までも続いていた。
その死体達を見てだ。彼等は話していく。
「俺達も何時あそこに転がるかだな」
「今度突撃命令が出て来たらな」
「俺達のうち何人があそこに転がるか」
「俺もだよな」
「ああ、どうなんだろうな」
死は目の前にあった。そしてその死を見てだ。兵達はまた話す。
「ヘンリーの死体何時こっちに引き戻せるかな」
「さあな。敵もそう思ってるみたいだけれどな」
「けれどあいつ等が来たらな」
「ああ、その時はな」
どうするか。彼等はそれぞれが持っているライフルと塹壕に備えられているマシンガンを見ながら話した。
「こっちも容赦しないからな」
「蜂の巣にしてやるぜ」
「ああ、絶対に殺してやるさ」
「ドイツの連中に容赦なんかするか」
「絶対にな」
こう話
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