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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第65話 聖王器ブランバルジェ
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までとは比べ物にならない威圧感がクレインを襲った。
何時ものような他の動きも無く、一閃によって全てを終わらせるつもりだった。
クレインも先程の白虎咬で防御に移れない。完全に無防備な状態だった。

「これで終わりだ!!!!」

下から斬り上げる最後の止めと言える一撃。何時ものような繋ぎは一切無い単純な攻撃ではあるが、その威力は他の技と比べても群を抜いていた。

「!?」

クレインにも戦慄が走る。これを喰らえば終わりだとクレインにも分かった。

(だからこそ残念だよ………)

クレインに刃が届く寸前で桐谷のミズチブレードが止まった。纏っていた魔力も消え、ゆっくりと地面へと落ちる。

「がはっ!?」

桐谷が吐血した。その身体には先程まで多用していた槍が桐谷の四肢に突き刺さっており、左脇腹に関しては浅くはあるが完全に抉られていた。

「………守られたね加藤桐谷」

桐谷の左腕にあった筈の籠手が無くなり、心臓部分に盾として展開されていた。

「心臓部分に行くはずだったが………ブランバルジェが守っていなければ即死だったね」
「………油断……した………」

桐谷の誤算はただ一つ。魔力で出来た槍を地面からしか出現できないと思っていた事だった。

「壁……から…か………」
「私は一言も地面だけとは言っていないよ?」

麒麟の一撃を与える瞬間、壁から桐谷に向かって魔力の槍が伸び、動きを止めた。その攻撃はアルトアイゼンの時よりも深く、バリアジャケットのお蔭で致命傷にはならなかったものの、戦闘継続は無理なほどの重傷を負ってしまった。

「さて、それでは止めといこうか」

右手にアルトアイゼンが持つ、ステークを作り出し、構えるクレイン。

(身体に力が入らない………痛みもあちこちから………………逃げられないか………)

桐谷はステークを構えるクレインを見ながらそう結論付けた。

(もうどうする事も出来ないな………まあ俺が死んでも後は零治が何とかやってくれるだろう………悔いは無い………)

そう思いながら目を閉じる桐谷、後はその時を待つのみとなったのだが………

『『桐谷!!!』』
「!?」

名前を呼ばれた様な気がした桐谷はハッと我に返った。

「俺は………まだ死ねない………」
「ん?」
「俺にも………守りたい奴等がいる………!!」

全く力が入らない身体を無理矢理にでも動かそうとする桐谷。しかしそんな強い意志に反して身体は全く言う事をきかない。

「………無駄だよ、もう君は死ぬんだ」
「ふざけるな………死んでたまるか………ああああああああ!!」

悲痛な叫び声を上げながら突き刺さった状態のまま、今度はミズチブレードを変化させようとした。

「………危険だね
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