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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第65話 聖王器ブランバルジェ
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現れた。
しかし………
「えっ………?」
相手はヴィータの目の前で翼を広げ、腹部に集束していたであろう魔力を既に発射できる状態でいた。
「!?ツェアシュ………!!」
ヴィータが攻撃をしようとした瞬間無情にも集束されたヴィータを飲み込むほどの巨大な砲撃が発射された………
そこは他の戦場と比べても異常な位静かであった。
「………」
「………」
斧を振り下ろした状態で固まる男と、斬られたまま固まる少女。
まるで世界の時が止まっているかと思えるほど、その場にいた誰もが動けずにいた。
(………綺麗)
その止まった時の中、なのはが、斧を振り下ろしたバルトの姿を見て、ふと思う。
無駄の無い振り下ろしだった。そして今までの技と比べてもただ振り下ろしているだけなのに、なのはにはとても異質に思えた。
「……ああっ………」
その止まった時は実に数秒。斬られたヴィヴィオに変化が見えた事で空気が変わった。
「ヴィヴィオ………ちゃん………」
「ほら、ゆっくり………」
イクトに肩を借り、ゆっくりとヴィヴィオの近くへと歩くなのは。
「ヴィヴィオちゃん………」
「あああああああ!!!」
もがき苦しみだしたヴィヴィオは胸の部分を抑えながら蹲る。
「失敗した………!?」
「いえ、さっき見えた時には傷も無かったし、恐らく、いきなりコアが無くなって急激な体の変化に自分自身に痛みが伴っているのでは………」
「そんな………」
「あああああああああ!!!」
本当に苦しそうに声を悶えさせながら蹲る。
しかし、それも徐々に収まっていき、最終的には叫ぶ事もなくなり、元の姿に戻って落ち着いた。
「………成功みたいですね」
「ヴィヴィオちゃん………」
なのはの呼び声に弱々しく顔を上げたヴィヴィオをなのはは精一杯抱きしめた。
「良かった………」
「なのはお姉ちゃん………」
嬉しそうに抱きしめるなのはに対してヴィヴィオの顔はとても悲しそうだった。
「………どうしたの?」
一旦離し、ヴィヴィオの顔を見て優しく話しかけたなのは。
「………何でそこまでして私を助けてくれたの………?私はなのはお姉ちゃんやバルトに酷い事言って………それでその後もずっと戦っちゃって………わがまま言って………私、私………」
そう呟きながら涙を流すヴィヴィオ。
そんなヴィヴィオの後ろに暗い影が現れた。
「………このアホんだら!!!!」
「痛っ!!」
「えっ………?」
なのはは一瞬今起きた事が分からなかった。
いきなりヴィヴィオの後ろに立ったバルトが泣いているヴィヴィオの頭に拳骨
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