マブラヴ
0864話
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でいるのを見つかった瞬間に撃墜されるらしい。もっともレーザーの威力自体はかなり弱いから、お前用に持ってきたVF-25Fのエネルギー転換装甲ならずっと同じ場所にいて延々とレーザーの集中照射を受けない限りは大丈夫だと思うけどな。……飛ぶか?」
空を飛ぶという行為に、憧れすら抱いているアルトだ。当然飛ぶのかとばかり思っていたが……
「いや、やめとく。俺は今回ルカを始めとしたL.A.Iの技術者達の護衛としてやってきたんだし。正直、飛びたいって気持ちはあるけど、この世界でいらない騒動を引き起こしたくはないよ」
「へぇ……」
「何だよ?」
思わず感心の声を口にすると、それが気に入らなかったのかアルトがジトリとした視線を向けてくる。
「いや、何でも……」
何でもない。そう口にしようとして、動きを止める。
言葉を途中で止めた俺に不思議そうな視線を向けるアルトだが、俺の気配が変化したのを察知したのだろう。特に口を出さずに周囲を注意深く見回す。
そんなアルトを見ながら、俺もまた同様に気配を探る。今、微かに……ほんの微かにだが聞こえたのは銃声か? 混沌精霊である俺だからこそ聞こえたんだと思うが、恐らくは間違いない。
サメか何かがプラントに近づいてきて、それに向かって銃を撃った? いや、まさか。そもそもそういう場合なら銛を撃つような水中銃がある。
それ以前に、サメとはいってもこのマブラヴ世界で生き物を面白半分に殺すような事は普通しないし、出来ない。
となると……
「アルト、EX-ギアのチェックをしておけ」
「おい、まさか……」
「一応念の為だ。だが、何かあったのならいざという時に行動はすぐに起こせる方がいい」
それだけを短く返し、技術的な話をしているレモン達の方へと近づいていく。
そんな俺に気が付いたのか、マリュー共々不思議そうな表情を向け、だがすぐに俺の様子に気が付いたのだろう。真剣な表情を浮かべる。
この辺、一緒に暮らしているからこその機微という訳か。
そして、次にルカが気が付く。
「アクセル君?」
「緊急事態……かもしれない状況だ。何が起こってもいいように、すぐに準備しろ」
「それは一体……? まさかBETAがここに!?」
俺の言葉を聞いた国連の職員がそんな風に驚愕の声を漏らすが、それに首を横に振る。
「いや、聞こえた銃声は1発だけだ。悲鳴の類も聞こえないし、寧ろ殺気が……」
そんな風に話していると、案の定この会議室に向かって走ってくる複数の足音。
一瞬このプラントの護衛かとも思ったが、放たれているのは紛れもない殺気だ。それこそ、全てを皆殺しにしてしまえとでもいうような、そんな殺気。
だが……俺がここにいる時に行動を起こしたのはミスだったな。
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