マブラヴ
0864話
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A.Iの技術者達が合成食を口へと運び……
『っ!?』
皆が揃って同じような驚愕の表情を浮かべる。
それを見て、分かる……と納得の表情を浮かべているのはマリュー。実際にその身で味わったからこそ、合成食がどのような味なのか分かるのだろう。
それでも吐き出さなかったのはさすがと言えるだろう。移民船団出身故に、食べ物の大切さは身体に染みついているといったところか。
「こ、これは……また、随分と……確かに味を改良したくなると言うのは分かります」
口元を押さえ、コップの水で半ば無理矢理に飲み込みながらルカが告げる。
「ええ、まぁ。勿論もう少し味を重視する事も出来るのですが、そうなると今度は合成食の量を確保出来なくなってしまうので……その辺の改良をお願いできればと、私達国連がオーストラリア政府を経由してシャドウミラーに依頼をした訳です」
「……分かりました。僕としても地球の食べ物がこんな風になっているのは見るのに忍びないですし、なるべく低コストでどうにか出来ないかを少し考えてみます」
「ええ、そうして貰えれば」
つい先程の、年齢を理由にした不安な表情はすっかり消え失せ、国連の職員は満面の笑みを浮かべて頷く。
そこから早速このプラントの技術者を交えてレモンやルカ達の間で技術的な話が始まったのを見て、俺はアルトへと近づいていく。
「ほら、こうなってしまえば俺達の出番はもうないからな。暫くゆっくり待つとするか」
その言葉と共に渡された紙パックのリンゴジュース。
EX-ギアを身につけたままにも関わらず、全く危なげない様子で紙パックに付いているストローを取り、飲み口へと刺して口へと持っていく。
「ああ、悪いな。……にしても、こうしてアクセルを見ているとやっぱりどこか違和感があるな」
「そうか?」
「俺の知っているアクセルは同い年くらいのアクセルだからな。それが、こうしてオズマ隊長と同年代となると……」
アルトの言葉通り、今の俺は20代の姿だ。
と言うか、マブラヴ世界で10代半ばの少年バージョン、あるいは10歳くらいの幼児バージョンを見せるつもりはない。色々な意味で余裕の無い世界だから、冗談を冗談と受け取られない可能性が高いしな。
「けど、今までだって色々とこの姿でいたことはあっただろ?」
「それは、お前がシャドウミラーに戻ってからだろ。実際に俺達と接していた時の年齢は俺達と大して変わらなかった筈だ」
「……そうだったか?」
いや、考えてみればそうだったか。
「それよりも、この世界……空はあるのに自由に飛べないんだな」
部屋の窓から外を見上げ、アルトが残念そうに呟く。
「まぁな。光線級っていうレーザーを放つBETAがいて、この世界の戦闘機とかだと飛ん
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