第一章 桜の秘密
第1話 『サクラフタタビ』
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言えるのはひとえにバイトを掛け持ちしまくってるからだ。
「いい感じだね。後卒業生と在校生の代表から一言ずつコメント貰えば完成だね」
「いい感じですね」
「いいと思います」
三人から高評価を得たのが嬉しいのかえへへと葵に瞳を閉じて笑う。そしてウンウンと頷く立夏がいた。
「そうねそれならばバランスも良くないと思います。素敵なアイディアだと認めるわ。しっか〜し!ありきたり過ぎる!、それじゃ杉並には勝てないわ」
そう言いながら指をビシッとする。
「よってその案は予備案とします」
「やっぱり私怨だよね」
「はい、私怨ですね」
「私怨だと思います」
「お子様ですから」
「だからそこ煩い!いいの私怨でも、今回ばかりは杉並の鼻を明かしてやるんだから!!」
4人がまたもヒソヒソすると立夏がまた怒った後に私怨だと断言する。
「ならテーマは魔法として、題材にするのは枯れない桜か?なら色々調べる宛はあるな」
「そうだね。高秀の家なら蔵書とかあるかもね。それに枯れない桜の木のある場所に直接行ってみるのもいいと思うよ」
俺達はどんどん話を進めて行きながら予定を立てて行くのを立夏達は呆然と見ていた。
「うん?どうした皆固まって」
俺は皆に問いかける。
「高秀、アンタの家ってそんなのあるわけ?」
どうやら立夏はそこに疑問を持ったらしい。
「まあな、俺の5代の祖がちょうどこの初音島に枯れない桜が咲いた頃に生きてて、調べてたからな。その辺の文献は多数あるぞ」
俺は少し嘘をついて説明する。本当は俺の前世が立夏達が桜を植えた頃から色々なことを聞かせてもらっているのでそれを本に残しただけだ。
「高秀それ今度持ってきて、もしくは重要な部分写真にして持ってきて頂戴」
「任せろ」
立夏の頼みを快く引き受ける。
「それで今から枯れない桜の木の場所に行くんですか?」
「そうね、思いついたら吉日って言うわ。これから行きましょ」
そうして俺達は部室を閉めて枯れない桜の木の元に向かった。
こうして冒頭の文に戻る訳だ。
「ねえ、どうせだから試してみない?」
「立夏試すって姫乃が言ってた枯れない桜の噂話のこと?」
ジルが尋ねると立夏は大きく頷いた。
「皆、桜の幹に手をついて目を閉じてお願い事をしてみて。どうせ叶わない、魔法なんてありえないなんて思わないで、心から………叶いますようにって」
立夏の指示に従い全員が目を閉じて意識を集中させる。
不意に桜の匂いを感じ目を開けてみる。するとそこにはありえない情景があった。
「桜が咲いている………」
俺の言葉に全員が目を開けてその景色に息を飲む。
「これは一体…………」
「分からないが、言えることは一つだ」
清隆の疑問に答えながらも俺はやるべきことを見出した
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