第一章 桜の秘密
第1話 『サクラフタタビ』
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俺たちの目の前には大きな桜の木があった。今いるのは部室ではなく、桜公園の奥にある“元”枯れない桜の木と言うべきかもしれないさくらが群生するこの初音島で最も多く群生し、その中心となっている大木だ。樹齢は分からないがざっと100年は経っているだろう。ーその気を囲むように立っていた。
話は数十分程前に遡る。
俺たちに注意をした後、立夏は席に座った。
「んじゃあ改めて、公式新聞部卒パ号の編集会議を始めるわよ」
立夏は仕切り直しのために笑顔でそういうのだった。
「じゃあまず、手元にある資料を見てちょうだい」
そう言われて素直に事前に配られていたA4サイズの資料には公式新聞部卒パ号資料とワードでパソコン打ちされた資料の表紙を捲るとそこにはテーマは『魔法』と書かれていた。
「今回のテーマは『魔法』にしたいと思います!」
全員が読み終わったのを確認した後立夏は胸を張ってそう言った。
それを聞いて俺とジル以外の部員の顔が微妙そうな表情になる。
「皆、どうしたの?」
そんな皆の態度に立夏は不思議そうに周りを見る。無論、俺やジルには特にそんな視線は寄越さなかったが。
「はい、立夏さん」
そんな沈黙のをいち早く破ったのは清隆だった。
「何?」
「『魔法』がテーマって一体どんな紙面を作るんですか?」
至極最もな意見だろう。確かに学校新聞なんかに『魔法』なんファンタジーな物が出て来たら、全員が驚くだろう、というか驚く。
「そんなの決まってるじゃない。遠い過去、この世界の何処かにあった魔法学校を特集するのよ!」
立夏のその言葉が出た瞬間清隆達の立夏への視線が変わった、まるでイタイ子を見る目のようになった。
「巨大地下世界に広がる学園都市……そこには世界中から魔法使い達が集まってくるの」
「さらにそこには地表から続く魔法で動くエスカレーターがあって、島になっており、その島それぞれに施設が建てられてるって言いたいんだよね。立夏が言いたいの?」
立夏がそんな視線も気にせず語ると、そこにジルが付け足すように言う。
「そうよ。さっすがジル!」
「そのうえ立夏はそこの学園長と古くから友人であり、同志でもあっったってことだろ?」
ジルに立夏がウィンクすると高秀がも一つ付け足す。
「ええその通りよ高秀。流石は『氷刃のデストラクター』!」
俺の二つ名を呼ぶ。
その二つ名はかつて、俺が前世の頃の記憶で初めてリッカ達に会う前に付けられた贈り名だ。
魔女狩りで関係のない人を片っ端から殺していくのが我慢できなくて、殲滅した。
その後もそんなことを繰り返すうちにそんな風に呼ばれるようになっていた。
「えっと……話を戻しますけど、立夏さんと高秀さんそれにジルさんはそこの生徒さんだったんですよね?」
「そ
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