第十三話***何言ってんだい、アンタも出るんだよ
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X791 フィオーレ地方
魔導士ギルド 妖精の尻尾
「マスター」
「お、クウヤ……どうした?」
カウンターに行儀悪く座り、新聞を読んでいたマスターにクウヤは声を掛けた。
「あの、大魔闘演武のコトなんですが……」
ヒソヒソとクウヤは耳打ちする。
ふんふんと頷きながら聞いていたマスターはいきなり顔を強ばらせた。
「んな、なんと!ほ、本当か!?」
「本当ですよ……といいますか、そこまで驚く内容ですかね……」
「ん、まあ、確かにの……よし、わかった、許可しよう」
「ありがとうございます、先方にも伝えます」
そして、クウヤはギルドを小走りに飛び出した。
魔導士ギルド 剣咬の虎
「マジで?」
「はい、この間、マグノリアに行った時に耳にしました」
スティングの訪いにフィーネは笑顔で答えました。
「へぇ、今年の大魔闘演武、ナツさんたち出るんだ……」
スティングはニヤリと、無表情のローグに笑いかける。
「こいつァ楽しみになってきたな、な、ローグ」
「興味ないな」
フィーネは二人を見つめ、控えめに溜め息を溢す。
(今のままじゃ……世界がひっくり返っても妖精の尻尾には勝てないわよ、絶対ね)
育ての親に聞いた冒険物語が脳裏を掠めた。
小さな頃、寝る前に毎日せがんだ、聖なる石を持つ少年の冒険物語。
(……まずは、仲間を仲間として考えないと、さ)
魔導士ギルド 蛇姫の鱗
「大魔闘演武!!?ウチらは毎年二位!!!けしからんねぇ!!!冗談じゃないよ!!」
ラミアのマスター・オババが叫ぶ。
「今まではただの祭だと思ってたけどね!!今年はそうはいかないよっ!!!」
手首を回し、身体を回し……そこかしこがグルグルクルクル回っていた。
「リオン!!ジュラ!!今回はアンタらも参加しな!!」
オババはギルドの片隅に居た二人を指差した。
そこに居た銀髪の青年と禿頭の中年が立ち上がる。
ギルドは歓声が響いた。
「まいったな、オババに言われちゃ断れん」
「たまには祭というのもよいものだな」
うわぁ、と歓声が響く中、群衆から少し離れた場所で座ってた少年が呟く。
「リオンさんとジュラさん、ついに出るんだ……じゃあ、ジュラさん、リオンさん、シェリア、トビーさん、ユウカさん?リザーブにシェリーさん……かな?うわ、最強じゃん、優勝、しちゃうんじゃないかな」
その少年は、黒く、紅かった。
黒髪の短髪で、一房紅く染まっている。
しかしそれは、故意に染めたような不自然さではなく、生まれつきのも
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