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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十五話 浸透
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最初から狙いはそれだった。だからマールバッハでの会談で焦土作戦の事を持ち出したのだ。伯爵夫人達を人質にとれば侯が卑怯だと非難するのは分かっていた。それを逆手にとって論破した」
またメックリンガー提督が呻いた。両手はきつく握りしめられている。

「ローエングラム侯は平民の権利を守るためには已むを得ない事だったと将兵に弁解した……」
「だがその焦土作戦がきっかけで皇帝暗殺、そして今回の内乱が起きた。リヒテンラーデ公が忘恩を罵られているがそれはローエングラム侯も同じだ。侯も陛下の御引立てが無ければ二十歳で帝国元帥にはなれなかった。この映像が公になればどちらも権力の保持と野心から行動した、恥知らずの忘恩の徒と言われても仕方がない。平民の権利を守るため等と言っても誰も信じるまいな」

メックリンガー提督が首を横に振った。
「如何すれば良いのだ」
「……ローエングラム侯に話さなければなるまい」
「……やはりそうなるか」
「皆で話そう」
「皆? ロイエンタール提督達もか?」
驚いたようにメックリンガー提督が問い掛けてきた。

「彼らの将来にも関わる、侯に話す前に知らせておいた方が良いだろう。それに皆で話した方が侯も落ち着いて聞いてくれる筈だ」
「なるほど、そうかもしれん」
感情的になられても皆で説得する。二人よりも五人の方が効果は大きいだろう。或いは五人で話せば良い案が出る可能性も有る、もっともそんなものが有ればだが……。






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