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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十五話 浸透
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達が不信を持てばオーディンでのクーデターは十分に有り得る……。
「リヒテンラーデ公側の貴族達がこちらに誼を通じようとして来る、有るとお考えですか?」
「有るでしょうね、ですが上手く行くかどうか、難しいと思いますよ」
クーデターを起こしても潰される可能性は高いか。期待はしていないということだ。だがローエングラム侯にとってオーディンが不安定というのは面白く無い筈だ。特に補給に不安が有る現状ではなおさらだろう。狙いはそちらか。少しずつ、少しずつだが追い詰めている。
「メックリンガー提督ですが例のチップ、そろそろ見ましたかな」
「見たでしょうね。驚いたと思いますよ」
微かにヴァレンシュタインが笑みを浮かべて頷いた。
「混乱するでしょうな」
「混乱します、そして誰かに相談する。そして少しずつ広まっていく」
そして少しずつローエングラム侯の足元が弛んでいく。気が付いた時には地崩れが起きているかもしれない。その時、ローエングラム侯は自分が孤立している事を知るだろう。
「貴族達は出撃するようですな、張り切っています」
「面白くなりますね、補給に不安のある正規軍も攻め寄せられたら戦わざるを得ない。オーディンで必死に補給を作っても間に合わない状況になるかもしれません」
「なるほど、彼らを補給物資の消費のために使いますか」
「勝てなくてもそのくらいは出来るでしょう、期待しています」
酷い言い方だ。思わず苦笑が漏れた。ヴァレンシュタインはニコリともしない。そうか、戦後の事を考えれば一石二鳥か。オーディンに毒を埋めるのもそれが理由か。貴族達を暴発させローエングラム侯の手で始末させる……。敵も味方も皆殺しだな。ローエングラム侯は自分が道具だと知ったら如何思うか……。自尊心の強い侯には耐えられまい。
「自由惑星同盟、いや反乱軍の事、お聞きになりましたか?」
「第十三艦隊がバーラト星域に達したという事なら聞いています」
情報はきちんと収集している様だ。
「どうなると思いますか、アルテミスの首飾りが有りますが」
ヴァレンシュタインが俺を見て微かに笑みを浮かべた。
「アルテミスの首飾りですか、ヤン提督が強攻すれば意味が有るかもしれません。しかし強攻するかな?」
「……」
「帝国の内乱は終結の気配さえ見えない。慌てて攻略する必要は無いでしょう。となれば持久戦でハイネセンを攻略するという手も有ります」
「なるほど」
包囲して補給を断つか、有り得るな。
「あちらの反乱は年内に終結しそうですな。こちらはどうなるやら」
「……」
ヴァレンシュタインを見たが何の反応も示さなかった。内乱は長期化する、そう思っているのか。或いは早期終結の目処が見えない、そう思っているのか……。疲れている様だな、少しゆっくり休んでもらった方が良い
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