第二章
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第二章
「次はポーランドだな」
「あの国ですか」
「それに留まらない。やがては我が国、そしてフランスとも戦うことになる」
そこまでだ。チャーチルは見抜いていた。
「その時にあの元帥で対応しきれるのか」
「それが問題なのですか」
秘書もチャーチルの言葉を聞きこれかのことに暗澹となった。彼は先の世界大戦を知っていた。だからこそ戦争は嫌だった。しかしだった。
チャーチルは覚悟していた。戦争が起こることを。そして実際にだ。
ヒトラーは戦争をはじめた。ポーランドに侵攻した。チェコを併合してスロバキアを併合しただけで終わらずだ。ドイツ系の者が多いポーランドを恫喝したうえでだ。
ポーランドに突如侵攻した。これを受けて遂にだった。
イギリスとフランスもドイツに宣戦布告した。欧州全土を巻き込む戦いがはじまった。
ドイツは瞬く間にポーランド、北欧を席巻した。そしてだった。
次はフランスだった。そのフランス軍においてだ。ガムランはまさに全権限を与えられた。ガムランはそれを受けて部下達にだ。誇らしげにこう言った。
「私が司令官になったからにはだ」
「はい、ドイツ軍なぞはですね」
「何ともありませんね」
「そうだ。私は勝つ」
豪語さえしたのだった。
「必ずだ。ドイツ軍に勝つ」
「我が軍にはマジノ線があります」
部下の一人がこの難攻不落と謳われる要塞線の存在に言及した。
「そして装備も優れています」
「その通りだ。数も多い」
少なくともだ。ドイツ軍がこれまで戦ってきた軍とは違うというのだ。
「それでどうしてだ」
「負ける道理があるかというのですね」
「そうだ、ない」
ガムランは断言もした。
「我が軍は必ずだ。ドイツ軍を破る」
「そしてこの戦争を終わらせましょう」
「我々の勝利で」
ガムランも部下達も勝利を確信していた。とりわけ部下達はこう言っていた。
「元帥閣下は先の戦争でのノウハウがあるからな」
「そうだな。あの頃から参謀として活躍されていた」
「戦争のことはよく御存知だ」
「経験程強いものはない」
軍の長老でもあり実戦経験豊富な彼を信頼していたのだ。
「その閣下が指揮されるのだ」
「どうしてドイツ軍に負けるのだ」
フランス軍の数や装備、マジノ線という備えに加えてだ。ガムランの実戦経験と識見を見てだ。彼等は安心していた。しかしだった。
イギリスの首相になっていたチャーチルはだ。ロンドンにおいてガムランと彼の部下達の言動やその自信の程を聞いてだ。首相の席からまた秘書に言った。
「やはり危ういな」
「まだですか」
「まだではない。危機はより深まった」
そうなったとだ。秘書に言うのだった。
「深刻になった」
「それはどうしてでしょうか」
「あの元帥を崇め
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