九校戦編
第16話 モノリス・コード
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べて、達也と幹比古が組んでおこなって、一般的にいう魔法はまるで発生しなかった。これも水が多くてとどまりやすい渓谷ステージだから、幹比古にとって行ないやすい『霧の結界』ができたからなんだが。
そして決勝戦を迎えて、部屋で一休みしたあとに、一高の天幕の控室にいくと、一足早くついていた達也からフード付きのロープを渡された。使い方の説明は聞いたが、この服装のセンスをなんとかしてほしかった。しかし、変に切り刻むわけにもいかないし、着込む覚悟を決めていると、幹比古も来てフード付きロープの説明を聞かされていた。
達也はモニターを見ていると言っていたが、3位決定戦後の決勝戦の使用ステージが「草原ステージ」だと、僕と幹比古は、控え室で知らされた。昨晩の想定通りだ。たぶん、何らかの方法で、ステージ決定システムが操られている。想定外だったのは、市街地ステージの代わりに岩場ステージが選ばれると想定していたところが、違っていたところだ。こちらの予測では、砲撃魔法のスタイルをとっている三高に市街地ステージが1度もあたっていないことと、一高の対戦相手に有利な場所を提供するのと、一高の戦力を分析してくるだろうというところを達也が話して、それを逆手にとって、三高との対戦まで手の内を明かさないで戦っていく。これが基本方針で決勝までおこなってきた。
予測と違ったのは、一高の僕らに砲撃魔法に相当する魔法に慣れさせないということを、この順番をえらんだのだろう。そう3人で結論にいたった。
それにしても、若干賭けの要素……『小通連』で使う硬化魔法は、それほど得意でない魔法なので、単純なのに起動式から魔法式の発動まで、使えるという目安である0.5秒とはならずに、約0.6秒。だから、それをまわりにわからせないようにサイオンを感知させない古式魔法の結界を使用した。
市街地フィールドで、幹比古の攻撃魔法や、僕の魔法はサイオンを感知させない古式魔法の結界と、『小通連』を使用するだけ。あとは直接的に相手のところにいけるのも、探知魔法を行っているのだろうと錯覚させて、三高の方法を変更させないことが目的だった。
そして決勝戦では、こちらのスタイルを変更して、相手のスキをつく。どのようにしてかは、実際にできるかだ。
そして、決勝フィールドに出ていった僕たちには、何ともいえない微妙な視線が漂ってきて、雰囲気もやはり微妙だ。幹比古は目深にフードをかぶっているが、僕は『小通連』を持っていた時になれていた。しかし、今度は「なぜ『小通連』を持っていないんだ?」というような視線が多くあるのではないかと思われる。
それはこれからの競技相手である、三高もそう思っていた。
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