第67話 再生怪人が弱いと言う設定は割と通用しない場面もあったりする
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前回も申し上げたと思うが夜の江戸町内を一人歩くのは大変危険な行為だ。何故ならそれは辻斬りにとって格好の獲物になってしまうからである。
なので、余程腕に自信があるか、或いは余程早死にしたい者でない限り夜の一人歩きは控えた方が良い。
ましてや、辻斬りとやり合おうなんて考えない事だ。
辻斬りの相手が人とは限らないのだから―――
***
額に「打倒辻斬り」と書かれた鉢巻を締め、右手にだんびらを持ち、左手に安酒の瓶を持ったエリザベスが夜の往来にて仁王立ちしていた。
酒を数リットル口に含み、それを刀の刀身に向かい吹き付ける。これに何のメリットがあるかは不明だが、とにかく気合充分と言う感じだけは見て取れていた。
主である桂小太郎を殺めた……かどうかは定かではないが、とにかく桂を傷つけた辻斬りをエリザベスは決して許す事が出来ず、こうして夜道にて待ち伏せをしていたのである。
「ちわっす、エリザベス先輩! コーヒー牛乳と焼きそばパン買ってきました!」
そんなエリザベスに向かい息を切らせながら新八が進言した。彼の手には紙袋が持たれており、その中に買い物した品々が入っているのであろう。
しかも、よく見れば新八はかなり汗だくになっている。相当走り回った為であろう。
そんな新八に対し『俺が買って来いって言ったのはコロッケパンだ! 後、お前買い物だけで一体どんだけ時間食ってんだ!』と、無慈悲な内容が書かれた板を見せつけていた。
前回の男らしい一面から一転し、元の腑抜けた新八に逆戻りしたらしい。現在はエリザベスのパシリとしてコンビニやらスーパーやらへ買い出しに勤しむ今日この頃である。
ちなみに、現在エリザベスが持ってる安酒も彼が購入してきた品であったりする。
「す、すみません……たまたま立ち寄ったコンビニが混んでたもんで、後コロッケパンは売り切れてたんで代わりになる奴って事でやきそばパン買ってきました! すんません!」
すっかり腰巾着っぷりが板についてる新八であった。売っていなかったのであれば仕方がないとばかりにエリザベスは半ば不満そうに紙袋から焼きそばパンを取り出し、それを一口の如く口の中へと放り込んだ。
「しかし、大丈夫でしょうかねぇ。まさか辻斬りを逆に辻斬ろうだなんて・・・しかも相手はあの桂さんをやった相手ですよ!」
新八は今回の作戦に余り乗り気ではなかった。確かに彼自身も辻斬りは許せない。
罪のない人を無慈悲に切り捨てる行為。それは侍道からは逸脱した行為に他ならない。同じ侍道を志す彼にとっては正に我慢出来ない行為であったのだ。
だが、今回の辻斬りは相手が悪い。何せ、あの桂小太郎を仕留めた程の手練れだ。果たして、そんな奴相手にたった二人で勝てるのだろ
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