追憶のメモリーズ
[1/3]
前書き [1]次 最後 [2]次話
私の力は、八歳の時ぐらいに目覚めました。
理由は分かりません、ですが私には困った人を助けたいと思っていましたので、これは主が私に授けて下さった恵みであると理解していました。
その力、神器の聖母の微笑と後に名付けられる力で私は困った人や怪我をした人を救ってきました。
ただ、喜んでもらいたくて笑顔でいてほしくて私は困った人や傷ついた人を助け続けたんです。
誰かを私の力で助ける度にお母さんとお父さんは私を褒めてくれました。
でも、ある日を境目に変わってしまったんです。
何時からだったのかをハッキリ聞かれましても、私はよく覚えていません。
ただ、その日から私の両親が急変したのは覚えています。
今までは私が困った人や傷ついた人を助けることに賛成してくれていたはずだったんですが、ある日に協会の人が私の家に来ました。
「アーシア・アルジェントか?キリスト教の者だ、我々と来い。その奉仕精神、感激した。主から授かったその力、我らと共に使ってみないか?それこそが汝の為すべき事であり、これからの生涯で行なうべきことである。」
最初はお母さんもお父さんも面食らったようでした。ですが、教会の人たちから受け取ったお金や私が困った人や傷ついた人を助けたい、と言うのもあって彼らについて行ったんです。
それからというもの私の生活はがらりと変わりました。教会に住み込みで働くことになったんですが、そこで私が人々を治療しているうちに人々から『聖女様』と呼ばれるようになりました。
たくさんの人々を教会に来ることによって助けることが出来る、と言うのは良かったのですが、私は一つ気になっている事がありました。
人々の目です。
私に傷を癒してもらった後、人々は口々に私に「ありがとうございます、聖女様!貴女のおかげで助かりました!」とお礼を言っていただけるんですが、どうにも彼らの言葉には何か裏があるように見えるのです。
蔑んでいるような目でした。
私がまるで傷や治療をするだけの人間の形をしただけの何かに見られているようでした。
それでも、私は治し続けました。
私はただ単純に助けたかったから、人の役に立ちたかったから。
“聖母の微笑”の名を授かる私の神器を使わずにはいられなかった。
私にとっては全てだったんです、神様に祈ることと同じくらいに誰かを助けるってことが。
そんな時、あの日がやってきました。
「だ、大丈夫ですか!?」
私にとってそれは、今後の運命を変える出会いでした。
良い意味でも、悪い意味でも。
私の今後のすべてが変わってしまって、何もかもが崩れ
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ