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『自分:第1章』
『一区切り』

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ヤクザよりタチの悪い店を辞めれて安心した。
翔平も喜んでた。
子供みたいに...

娘との時間が増えた。
単純に嬉しかった。


この時、既にユウとは離婚して、翔平の実家で暮らしてた。
翔平は母子家庭。
お母さんは、不倫してた頃から知ってた。
風俗のことも。
離婚前提での付き合いなら仕方ないと言ってた。
認めてくれてた。
家庭環境も聞かれるがまま答えた。


離婚の流れは、零那が『書くだけ書いといてや』って、差し出した離婚届に書いて貰い、それを勝手に提出しただけ。
ユウには、受理されてからの事後報告。
もうそれだけで最低な人間やと自覚はある。


ただ、友達からの評価が下がってしまった翔平の事で責任があったのも事実。
自分のせいで翔平の立場が悪くなってる。
離婚さえしてしまえば『不倫』じゃ無くなる。
そしたら友達は戻ってくる。
認めてくれる。
だったら...と...


離婚に至る迄、風俗を辞める迄、翔平を苦しめた。
最初から解ってての事。
それでも苦しめて傷付けたのは事実。
もう不安にさせたくない。
傷つけたくはない。


でも、やっぱり現実は残酷で、バイトすら雇ってくれる所が見つからず、田舎やから噂もあるし、自分も悪い。

でも、生活もある。
支払いもある。
何より娘に不憫な生活を強いるのが嫌だった。

個人援助を続ける他無かった。
綺麗事並べたって金が必要。
それが現実。
新店オープンとかあると、すぐ面接行った。
『高校卒業資格』
それが一番イタかった。


思い通りに行くことなんか何ひとつ無かった人生。
今更これくらいで挫けるわけにはいかん。
今更、引き返せれん。
むしろ今からが人生の本番だったりするんかも知れんと思った。


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