九校戦編
第15話 破壊と交代と下準備
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先端が飛ぶ魔法を使った突きを繰り出すが、ここにもうひとしかけがあって、それは気。小通連の先端に気を集めていたので、オフェンスにぶつかった拍子にその気が『裏気当』の要領でそのまま相手の背面に衝撃を与えた。
昨夜、藁人形だけでなく、立ち木で練習をしたのはこのためだ。気をもっていない藁人形ではわからず、気をもっている立ち木でないと、効果がわからない。
達也は相手ディフェンダーが倒れている間に、モノリスに書かれている512文字のコードを専用端末へ打ち込んで終わった。そういうところだが、他から観るならば、
「今の試合、どう思う?」
「将輝が聞きたいのは試合の総括じゃなくて、『彼』のことだね」
「そうだ。彼が作ったと思われるあの武装一体型CADを使った、もう一人の彼のこともね」
「陸名翔のことも?」
「初日のスピード・シューティングで2位になった時には、あんなに悔しがっていたじゃないか。観ていなかったとは言わさないぞ」
「陸名翔の方は、あの剣が操弾射撃のように先端だけ飛ばさせて、相手にぶつけるというのなら、あの形状である必要はないよ。もっと違う使い方ができるのは明白だ。そして、あの飛ばしたあとに戻す魔法に何かあるから、サイオン検知を防ぐ魔法エリアを作ったんだ。表面だけを見て、彼のできる魔法を下手にしぼりこまない方が良いと思う」
「ジョージは、術式解散『グラム・ディスパージョン』のことを悔しがっていたからな」
「あれは競技の性質上、特化型CADだから使える魔法を限定させて、初めてできることなんだ。そうは言っても、限定した状況を作られるからには、それの対抗手段は、九校戦の後にするとして、操弾射撃大会の時にやはりエリア魔法というには小規模なんだけど、操弾射撃用CADのレールの先端から、収束系魔法で的と触れた瞬間をフィードバックさせる方法をとっていたらしい」
「ほー、そういうことは、エリア魔法が彼の本質だと思っているのかい?」
「いや、魔法を絞り込むのは、彼に関しては危険だと思う。今のところは、もう少し情報を集めたい」
「そうか。ところで司波達也は?」
戦闘技術の警戒で、術式解体『グラム・デモリッション』に驚いたが、魔法の威力そのものは高くない。
どちらにしろ、もう少し戦い方をみて、各ステージ毎の戦術をねるべきかもしれないというところで落ち着いた。
そういう見方をしている対戦相手チームもあるということだった。
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