覚悟と決意
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、底が見える。その底には砂に埋もれた沈没船らしきものが魚の住処になっているのが分かった。これだけで大体ここが深海だということが察すことができる。
ブルッと俺の体が震えた。もし向こうに放り出されたらとマイナスなことを考えてしまった。
そんなイメージを払拭するように顔を左右に振る。そんな起きるか起きないかのことを考えても仕方ない。今はとにかくこのアリーナをどう攻略するか考えなくちゃいけない。
「行こう、セイバー」
セイバーに声をかけ、進む。向こうに広がる闇がたまらなく自分を不安にするが、その気持ちを押し殺す。自分を殺せ。感情を殺せ。そう自分に言い聞かせながら奥へと向かっていった。
数分後、俺とセイバーは広間を通過しようとしていた。
「止まれマスター」
今まで無言で後方を歩いていたセイバーが急に声を上げた。その瞬間、反射的に俺の足にストッパーがかかりこれ以上進むことを拒絶する。なぜここでセイバーが止めたのか最初は分からなかったがすぐにその意味を理解した。
「敵か?」
俺は周りに警戒しながら身を構える。広間は薄暗く奥の方はあまりよく見えない。ここはなるべく動かない方が得策だろう。
「ああ、しかも複数だ。油断するな」
セイバーがそう言った瞬間だった。
「伏せろマスター!!」
「ッ!!」
セイバーの勢いある声に体が反応し素早く身体をしゃがませる。その直後、俺の視界の端で頭上に彼女の剣らしきものが横に通過していくのが見えた。その直後、ズシャと何かが切り裂かれた音が聞こえてくる。
「立てるか?」
セイバーが周りの敵を気にしながら俺に声をかける。
「ああ、大丈夫」
そう言って立ったものの、足がガタガタ震えている。なんとか今の攻撃は避けれて助かったけど、もしタイミングを間違えたらと思うと震えが止まらなかった。
「まだいるのか?」
「ああ…正確な数は分からないが何体かはいる」
思わず舌打ちをしそうになった。まだ敵が何体もいるとなるとこっちの戦況が不利になる。一言言っておくが、決してセイバーが頼りないということではない。ただ、相手の数が多い場合何体かはセイバーと接触するがその他のエネミーは俺の方へと流れてくる可能性が高い。対抗策のない俺には致命的だ。
「つまらないことを考えていないだろうな?」
「ッ!?」
「詳しいことを探るつもりはないが今は意識をここに集中させろ」
冷静な声でセイバーは俺に言う。そうだ、今はそんなことを考えている時じゃない。今この一瞬一瞬をどう乗り切るか動かなくては。
「来るぞマスター!」
セイバーの声に身構える。相手への警戒心を緩めることなくどこから出て行くのかしっか
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