覚悟と決意
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と的中。そこにいたのはレオナルド・B・ハーウェイことレオが微笑を浮かべて立っていた。その背後にはセイバーと瓜二つの顔をしたアーサーと呼ばれるサーヴァントも控えていた。
その時苦い思い出が蘇る。アーサーとセイバーは以前鉢合わせた瞬間いきなり戦闘が起きた事例があった。戦闘と言ってもセイバーが一方的に攻撃していたのだが、今回もないとは限らない。
(今回は攻撃するなよ?セイバー)
(……)
前に立っているセイバーに耳打ちをするが返事はない。兜で表情が分からない分余計に心配になる。
「その方向から察するにアリーナに向かう途中ですか?」
「うん、まぁね」
「そうですか、何があるか分からないのでお気を付けてください」
「ああ、ありがとう」
レオと話している最中、チラチラとセイバーに意識が行く。無言で佇み、何かをする様子はない。普通は安心するところなのだが、人間ならではのちょっとした動作がないのは逆に不安になった。
「どうかなさいましたか?」
俺の落ち着きのない様子に気づいたのか問いを投げかける。
「いや、別にどうもしていない」
そこでまたセイバーの様子を窺う。セイバーは沈黙したままだ。すると、その一部始終を見たレオはなるほど、と呟いた。
「では僕は自分の部屋に戻ります。ご武運を」
そう言うと、踵を返して戻っていく。後ろにいたアーサーも付いていくが、一瞬だけこっちを見た……いや、たぶんセイバーの方を見たのだろう。純粋な瞳でセイバーを見つめていた。そこにどういう想いがあったかは分からないが、切なそうだった。
「行こう、マスター」
ずっと黙っていたセイバーがようやく口を開いたかと思ったら、アリーナへと進み始めた。
「お、おう」
一人おいてけぼりな俺。一体何がどうなっているのかさっぱりだったが、俺も人のことは言えない。俺だってまだ自分の悩みを抱えてセイバーに迷惑をかけている。彼女だって同じ気持ちだったはずだ。
俺もはやく伝えるべきことを伝えなくちゃいけない。
その決意を胸にセイバーを追いかける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アリーナに着くとそこは以前のような真っ暗な景色とは違っていた。日も差さない程に冷たく、暗い群青色の景色が一面に広がっている。風景のせいなのかやけに自分の体から熱を持っていかれるような気がした。
「ほう、前回とはまた違った工夫がなされているようだな」
セイバーは余裕たっぷりにそう呟く。さすがセイバーというかなんというか……。相変わらずの強気な態度は俺の心を救ってくれる。なんて言ったってこの風景だけでも俺は色々な恐怖と戦っているのだ。
下を見ればガラス張りのように床が透け
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