十八話:適材適所ってよく言うよな?
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仲間を見捨てて部長を助けに来てるんだ!!
ちくしょう…ちくしょう…っ! これがルドガーの言う覚悟だって言うのかよ!?
あいつの言っていることがこの場合じゃ正しいってことは頭では分かってる……。
でもよ! 俺は大切な者を守る為に他の何かを犠牲にする覚悟なんて……。
仲間を犠牲にして守るなんてことはしたくねえんだよ!!
他の誰かが傷つくのを見るぐらいならよ……。俺が犠牲になってやるっ!
(なあ…あの焼き鳥をブッ飛ばす力を手に入れるにはどうしたらいい?
―――神をも屠るウェルシュドラゴン)
その言葉に俺の中にいる奴がニヤリと笑った雰囲気がする。
(世界の均衡を壊す力が欲しいか?)
(それで“俺が”部長を守れるなら、勿論だ)
(代償がいる……高くつくぞ?)
代償か……俺に払えるものなら何だって構わねえよ。
俺はルドガーみたいに――『大切なら、守り抜け、何に代えてでも』――
他の誰かを犠牲にするような覚悟はできない…。
でもよ……自分の命位なら俺は喜んで差し出すぜ!!
(それで代償は何なんだ?)
(お前の左腕を寄越せ。それで十秒だけ力を手に入れられる)
(左腕か……何だ。それで部長を守れるなら―――安いもんだ!)
その瞬間屋上にたどり着く。
そこには今しがたまで戦っていたと思われるライザーと部長がいた。
ライザーは余裕の表情を浮かべ。部長はボロボロでその反対の表情をしている。
「部長っ!」
「イッセー! 祐斗! それに小猫も!」
「何だ。結局、足止めは出来なかったのか。まあ、こっちの方が盛り上がりは出ていいだろう」
俺達を見て気が抜けたのか。
それまでの疲労が一気に来たのかへたりと倒れ込む部長。
ライザーは余裕の表情を崩さない。
あの野郎、本気で俺達の本気の戦いを見世物にしようとしてやがる…っ!
待ってろ。直ぐにその余裕ぶっこいた顔を殴り飛ばしてやる!
(直ぐに力は使えるのか?)
(悪いが準備に三十秒程いる。何分いきなりだったものでな)
(マジかよ……いや、俺だけじゃないんだ)
俺の隣には仲間がいるんだ。他の仲間が逃がしてくれた仲間が。
「木場。それに小猫ちゃん。三十秒だけ時間を稼いでくれ!」
「何か策が? ……いや、信じるよ」
「……任せてください」
「二人共、ありがとう」
二人に礼を言って俺は部長を守るように傍に行く。
二人共頑張ってくれ。
「何をするか知らんが……。フェニックスの前では無力だと教えてやる」
「それでも僕達は諦めないよ!」
まずは木場が高速でライザーに斬りかかる。
それをライザーは避けようともしない。
木場の剣がライザーの腕を刎ねる。
「今のは重傷だな。まあ…俺がフェニックスでな
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