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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十四話 毒
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る筈だ。なんで年長者は簡単に騙されるんだろう? 謎だ……。

皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世をブラウンシュバイク公爵夫人、リッテンハイム侯爵夫人に預けるとメルカッツ総司令官の元で作戦会議だ。エルウィン・ヨーゼフ二世はエーリッヒと離れるのを嫌がったが“大人しくしていろ”と言われると素直に従った。御婦人方が眼を丸くしていた。

今回の作戦会議は参加者が多かった。ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯、メルカッツ総司令官、オフレッサー上級大将、エーリッヒ、クレメンツ提督、ファーレンハイト提督、リューネブルク中将、アンスバッハ少将、シュトライト少将、ザッカート少将。

「作戦会議を行う前に見て頂きたいものが有ります」
「……」
「今回の作戦において判明した事実です。今後の戦局にも影響する事は間違いありません」
空気が重いな、俺が話しても誰も何も言わない。黙って聞いているだけだ。内心気圧される物が有ったがエーリッヒとリヒテンラーデ公達の遣り取りを再生した。

映像が流れる。誰一人身動きしない、黙って見ている。
“……しかしその大部分が公文書を貰っていない”。
“……ローエングラム侯の姉君は先帝陛下、フリードリヒ四世を……”。
“……暗殺にはリヒテンラーデ公にも責任が……”。
“ローエングラム侯排斥、その情報はリヒテンラーデ公の所から……”。
“先帝陛下の御恩情を忘れたか! この不忠者が!”

映像が終ると彼方此方から溜息が聞こえた。
「陛下が、いや先帝陛下が暗殺された可能性が有るとはブラウンシュバイク公から聞いていたが……、それにしてもとんでもないシロモノだな、これは。公になればローエングラム侯だけではない、リヒテンラーデ公もお終いだ」
リッテンハイム侯の嘆息に皆が頷いた。マリーンドルフ伯爵家は眼中にないか。

「素直には認めまい、捏造だと否定する筈だ」
「だが影響は出る、抜ける人間も出ると思うが」
ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯の言葉、それぞれに皆が頷いた。
「ヴァレンシュタイン提督、卿は如何思うのかな? 今後の予定ではリッテンハイム侯が辺境星域奪還軍を起こす事になっているが」

メルカッツ総司令官の言葉に皆の視線がエーリッヒに向かった。
「ローエングラム侯は先日、焦土作戦の真実を暴露され政治的に窮地に立っています。おそらくはこの戦争は権力闘争では無く階級闘争だと言い自分が平民、下級貴族の味方だと言って周囲の動揺を抑えようとするでしょう。焦土作戦は力を付けるために必要だったと言って」
「ずいぶん時間がかかっているな」
クレメンツ提督の言葉にエーリッヒが苦笑を浮かべた。

「人質が心配なのですよ。返還前にやればこちらが人質を返さない可能性が有ると考えた。だから沈黙していた。しかし返還は無事終了しまし
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