第1部
第10話 激闘、横須賀沖迎撃戦〜其ノ四〜
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とカタパルト開けろッ?? 時間がないんだッ??」
『無茶ですよ提督ッ?? まだ整備が残って……』
「んなこたぁわかってるッ?? 良いから出せッ??」
カタパルトを滑るようにヘイズルが飛び立ち、爆炎と銃弾が入り混じる空に上がる。
嘗てこれ程の海上戦があっただろうか?
幾多もの鉄と命が失われて行く。
海は重油によってドス黒く濁り、船員の叫びや悲鳴が響く。
「……この海は…地獄だ……ッ…」
阿鼻叫喚地獄絵図、ほかに表現のしようがない。
立ち昇る幾多の黒煙が視界を遮り、血飛沫が甲板を濡らし、掛け値無しの絶望が渦巻く。
まさに、地獄。
『提督、緊急電ですッ??』
リンドヴルムのオペレーターの声が、レーザー通信から響いて来る。
『本海域に接近中の超大型艦艇有り、方位7時、距離24000ッ??』
「なにッ?? 敵かッ??」
『不明です、レーダーにいきなり……えッ??』
オペレーターが息を呑んだのが分かった。
もし敵なら撤退も考慮しなければならない。
ただでさえ制空権を握られているというのに、新手の相手なんてしていられない。
『し、所属不明艦より入電ッ??
……これより、ニンバス≠ノよる上空制圧を図る。
迎撃艦隊所属機は直ちに高度500ft以下に撤退せよ、ですッ??』
7時の方位を最大望遠で映し出す。
朝日が顔を出し、映ったのは巨大な水上艇……いや、これを水上艇と呼んでいいのだろうか?
リンドヴルムよりも明らかに巨大で、複翼を入れれば100mは超えるだろう。
その巨人艦を護るように、ふた回りほど小さな……いや、戦艦並みの大きさの艦艇が幾つも寄り添うように飛んでいる。
《……ッ、……。
…遅れて済まない、此方はユージア連邦・エストバキア海軍所属、独立飛行艦隊旗艦、アイガイオン級重巡航管制飛行空母1番艦、アイガイオン。
艦長のニコラス・A・アンダーセン♀ヘ長だ。
エインヘリアル、リンドヴルム、今直ぐ艦載機を待避させよ》
『此方リンドヴルム、直ちに退避させる』
戦域内の友軍機が徐々に高度を下げる。
《了解、アイガイオンよりシュトリゴンリーダー=Aニンバス発射準備が整った》
《シュトリゴンリーダー≠謔閭Aイガイオン、斉射開始と同時に戦域へ突入する。
各チームリーダー、聞いたな?》
《ウォーウルフリーダー了解》
《ガルーダリーダー了解》
《ラーズグリーズリーダー了解》
《ハートブレイクワン了解》
《メビウスリーダー了解》
《各チーム了解確認、ニンバス着弾後は、各自の判断で会敵しろ》
《全機に告ぐ、これよりニンバスを射出する、カウントを開始しろ。
……ブースター点火、発射まで、5秒前》
《4、3、2、1、ロンチッ??》
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