裏での出来事
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「ボールを回せ!」
「やるじゃないか土門!」
俺は雷門中での楽しい日々が忘れられない。
俺は申し訳ないように顔を下に向けて気付いたら歩いていた。
「危ない!」
突如聞き覚えのある女の子の声が響いた。
俺は右を向くとトラックがこちらに向かって来ていた。
何とかトラックは俺の目の前で止まり九死に一生を得た。
「馬鹿野郎!ボーッと歩いてんじゃねぇぞ!」
とトラックの運転手が安心した様な怒りの混じった声で叫んだ。
「……………………」
俺は無言のまま去って行ったトラックを見ることしか出来なかった。
「土門くん!」
秋が俺のもとに駆け寄る。
やはりさっきの声の正体は秋だったみたいだ。
「……あ、ああ」
俺は申し訳なさそうな顔で秋に顔の向けた。
「大丈夫?ぼんやりしちゃって……」
秋が心配そうに俺に声を掛ける。
「ああ、うん、ちょっと考え事してたから……」
俺は半分本当で半分嘘の様な答えを秋に返した。
「考え事って……、元気出して!そんなんじゃ一之瀬くんに叱られるぞ!」
秋が一之瀬と言う言葉を発した途端俺は苦しくなった。
秋は俺の肩を叩いて歩いて行った。
そうあれは………。
「一之瀬くんっ!!」
秋の悲鳴が聞こえた。
俺の……いや俺と秋の昔の嫌な記憶だ。
〜冬海side〜
「率いるチームを決勝戦まで進めるとは流石だな冬海…」
あのお方の怒りがこもった声が聞こえる。
「申し訳ありません、まさか彼奴らが此処までやるとは………」
私は正直に話した。
「どんな手を使ってもいい雷門中を決勝戦に参加させるな、いいかどんな手を使ってでもだ、もしも失敗した時は!」
その先は簡単に予想が出来た。
「わ、わかっております!何としても不参加にして見せます!」
私は何とか期待に答えられる様に返事を返した。
「……フッ…」
………ブツッ。
「…もう駄目だ…、うちのチームを決勝戦に参加させたら……私は破滅だ……」
私は校舎裏でうずくまり呟いた。
〜土門side〜
俺は浮かない顔のまま翌日の学校の門を潜った。
「土門くんどこ行くの?」
秋が俺の背後から声を掛けるが俺は振り向かず
「部室に忘れ物……!」
と言葉を残しその場を去った。
俺は部室の中に入りいろんなファイルを開きアレを探す。
「イナビカリ修練所、個人能力データ……これだ」
俺はそのデータに手を掛け取ろうとしたが
「………っ」
俺は無言のままデータを元に戻した。
俺が部室から出て校舎に向かっていると
俺たちの移動用バスが入っている車庫の中から音が聞こえた。
俺は
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