神を信ずるというのも恐ろしい
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、誰が言った?」
サイがツンデレなんて言葉知ってるわけがない
誰かが入れ知恵したに違いない
そう確信して問いただす
「フー先輩」
「トルネと仲違いしやがれ」
思わずフーを呪う
くそ、女子高生かと見間違うほどの仲良し具合なんて裂けろ裂けてしまえ
心の嘆きに任せて立ちあがって、彼らがいる筈の休憩室へ向かう
変な事を教えるなと釘を刺さなければならん
当然のごとく後ろをついて来るサイはスルーだ
扉を開けようとした瞬間、向こう側から扉が開いて仮面を強打する
デコいてぇ
ピシッと嫌な音が仮面から聞こえ、向こう側から謝ってくる声がやけに遠く感じた
「・・・・・・にい、さん・・・?」
二つに割れた仮面が床に落ち、カーンと高い音が場を静まり返す
サイの声が耳に入ってくる
その時になってようやく仮面が外れていることに気がついた
顔を両手で隠す
見られた
鶸茶が、ねたみコンだとバレてしまう
「・・・鶸茶、顔を良く見せて」
無言で首を横に振る
座り込んで顔を隠す
「・・・トルネ!フー!来て、こっち来て!!」
出来るだけ見られないように、他人の空似だと、目の錯覚だと言い張れるように
大声でトルネとフーを呼びながら、顔を隠し続けた
「鶸茶・・・!
お願いだから・・・!」
横でずっと、縋るように名前を呼ぶサイのことなどお構いなしに・・・顔を隠していた
・・・あれ?
サイ、オレの顔を見て兄さんって呼ばなかったか?
・・・シンって、どんな顔だったっけ・・・?
オレの顔と、シンの顔って似てるのか?
トルネが慌てたように毛布でオレを隠した
フーとサイが何やら言い争っている
毛布があるから一安心、そう思って気を緩めたのがダメだったんだろう
引っ張られる感覚
「うわっ!?」
毛布をはぎ取って目の前に現れたのはサイ
目を見開いてこちらを見ている
「やっぱり・・・兄さん・・・」
泣くのを堪えるように恐る恐る呟いた
・・・泣きたくなるほど、オレの顔は似ているのか
だけどな
「・・・薄墨、オレは、お前の兄じゃない
オレは鶸茶だ」
毛布を顔に巻きつけて立ちあがる
バラバラになった仮面はトルネが回収してくれた
・・・変化の術でも使って、誤魔化せば良かったのだ
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