第2話「大切なのは信じる気持ち」
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っていた。
((よっ洋式って……そこがァァァ!?))
「あのさっきから一体何を騒いでるんですか?」
意味不明な事を言い出す二人を心配になった神楽とお妙がその理由を尋ねてきた。
しかしここでスタンドのことを話しても笑われるか、変に怖がらせてしまうだけだ。双葉も含め女性陣たちは幽霊が見えないのだから。
かといって二人だけでパニくっていても埒があかない。
しばしの沈黙のあと、新八は話を切り出す決心をした。
「あ、あのさァ……」
「おやつタイ〜〜ムん。ホラホラ皆さん3時のお菓子持ってきましたよ〜」
運悪く、別の襖から現れた女将によって新八の声はかき消されてしまった。
愛想良く笑う女将から柿ピーが盛られた皿を差し出され、喜ぶお妙と神楽だが――
「ピザはないのか?」
一人表情を変えず柿ピーを見下ろす双葉は女将に問う。
「やんっだ〜お客さんったらご冗談がお上手ね。ウチみたいな老舗旅館に外国モノなんてありませんよ」
((いや、あるよね。襖の向こうに外国製スタンドぶら下がってるよね!?))
「うちは粗末なお菓子しか出せませんけど、これでよかったら召し上がってくださいな」
「ピザなんてチャラついたもんあるわけないネ。残念だったアルなピザ女」
「まぁまぁ双葉さん。たまにはシンプルなものもいいじゃないですか」
こんなオンボロ旅館にピザを要求するのもどうかと思う。しかしそこはピザラーの血が騒ぐのか、聞かずにはいられなかったらしい。
ケラケラと笑ってこれ見よがしに柿ピーを食べる神楽に、双葉は軽く鼻で溜息をつく。
「それがおいしいと思うとは、それ以上の美味を知らないんだな。何も知らないとはある意味幸せだな、天人」
「何言っても負け犬の遠吠えネ。お前に勝ち目はないヨ」
「そう言う双葉さんだって知らないことたくさんあるんじゃないかしら」
「当たり前だ。私にだって知らないことはある。お主は?」
「そうね。私もここより酷いオンボロ旅館は他に知りませんね」
「あら、こちらのお嬢さんもご冗談がお上手ねぇ」
細い声で笑い合うお妙と女将。和やかなのか恐々しいのかわからない雰囲気である。
だがスタンドを目撃した男たちにとっては、どっちにしろ恐怖の光景でその場に座りこんでいた。
さっきの長谷川のこともあり、一刻も早くこの旅館から出ていきたい。スタンドのことを女将とお妙達に話してここから出よう。
銀時はそう考えていた。
だが――
「しゃべったら殺すぞ」
すれ違いざまに耳元で囁かれた声。銀時と新八の胸がギュっと引き締まる。
恐る恐る後ろを向くと、仙望郷の女将――お岩は背中の幽霊に柿ピーで餌づけしながら、ニヤリと銀時たちに微笑んでいた。
(気づいてます!!女将さん全てのことに気
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