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リリカルアドベンチャーGT〜奇跡と優しさの軌跡〜
第四十話 大好きという言葉
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大輔「現実世界じゃ、今は夏だから…“なっちゃん”…これじゃあ安直すぎるか?」
フレイドラモン[単純…]
大輔「沈めるぞ」
フレイドラモン[ごめんなさい]
失言を言うフレイドラモンを脅して黙らせ、なっちゃんと名付けた女の子を見遣る。
なっちゃん「うん。これからはなっちゃんて呼んで、大輔。よろしくね」
すっかりお気に召したらしいなっちゃんは、鈴を転がしたような声で名前を紡いだ。
それはそれは嬉しそうな微笑みをたたえている。
大輔「そういや、腹が減ったな…」
洞窟が明るいから焚火をする必要はない。
鞄の中身をひっくり返すとまだ口にしていない木の実があった。
皮が黄色で、柿に似たような木の実。
大輔はまず、試しにかじると、表情を歪めた。
大輔「苦っ…」
それを見たなっちゃんも木の実をかじった。
そしてあまりの苦さに涙目になる。
フレイドラモンはブイモンに退化すると、木の実を手に取る。
ブイモン[これ…ビタの実?]
大輔「何だそりゃ?」
ブイモン[これは、ビタの実って言って、食べるには皮を切って干さないといけないんだ。ようするに渋柿の苦いバージョン。]
大輔「それを早く言えよ…えっと…ビタの実以外の食い物は……あ、ラッキー、もんざえモンから貰ったパンがまだ残ってた。それから冷蔵庫の卵も残ってたし…」
フライパンを取り出し、ブイモンが小枝を集めて、小枝に火をつけるとフライパンを熱して、卵をスクランブルエッグにする。
現在油がないため、水で代用して少し水っぽいがあっつあつのスクランブルエッグをパンに挟んでスクランブルエッグサンドの出来上がり。
大輔「ごめんな、こんなものしか作れなくて」
砂糖を少し加えたが、あまり美味しそうには見えないスクランブルエッグサンドを口にしたなっちゃんは大輔に満面の笑顔を浮かべた。
なっちゃん「美味しい。ありがとう大輔」
その笑顔が何故かフェイトとダブって見えた。
ブイモン[大輔?]
大輔「あ、いや、何でもない」
ブイモンが不思議そうに大輔を見上げるが、何でもないと首を振る。
なっちゃん「ねえ、大輔。なあにこれ?」
ブイモンを指差すなっちゃんにブイモンは不服そうに、大輔は苦笑しながらなっちゃんの頭にポンと手を置いた。
大輔「なっちゃん、人を指差しちゃ駄目だ。こいつはブイモンで俺のパートナー…。簡単に言えばもう一人の俺だ」
なっちゃん「もう一人の大輔?ブイモンも大輔なの?」
大輔「何でも、パートナーデジモンはパートナーのデータを元にしてるらしいんだ」
ブイモン[大輔え、お代わり]
スクランブルエッグサンドをもう平らげたブイモンがお代わりを要求するが、大輔の反応は冷たい。
大輔「お生憎様。もうパンも卵もないんだ。我慢しろ」
ブイモン[ええ〜?大輔の鬼]
大輔「だったら、寒い
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