第一章
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あまりにも役立たずなのでここに回されたのだから。上官さえここにはいないのだった。どんな閑職よりも凄い場所であるのだ。
「俺達だけだ。それだったらいいじゃないか」
「そうなのか」
「そうさ。それでどうするんだい?」
ここまで話してアルフレッドにまた問うてきた。
「一緒に行くかい?それとも一人で楽しむかい?」
「飯は持ってるか?」
アルフレッドはすぐに答えることはせずまずは彼にこう尋ねたのだった。
「飯は。どうなんだい?」
「ああ、あるよ」
コシュートはにこりと笑って彼に答えた。
「缶詰がな。たっぷりとな」
「そうか、だったら問題ないな」
アルフレッドはそれを聞いて満足した顔で頷いた。最初に尋ねたことがクリアーされて満足したのだ。
「じゃあそれ持って。一緒に行くか」
「そうしてくれるか。有り難いな」
「どうせここじゃ戦争はないんだ」
彼もそのことを思う。こう考えると実に気楽なものであった。何しろ彼等の他には誰もいない。戦争はここでだけは夢の世界の話であるからだ。
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