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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-2 1層攻略
Story2-2 初めての悪意
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今は誰かと話す気分ではなかったため、気付かれる前に奥の通路を通って村の奥の民家を目指した。



目的の家を見つけると、形ばかりにノックしてからドアを開けると、相変わらずかまどで何を煮ていたおかみさんが振り向いた。



頭上には、クエスト進行中を示す金色の!マークが浮かんでいる。


彼女に歩み寄り、腰のポーチからリトルネペントの胚珠を取り出して渡す。

おかみさんは顔を輝かせ、胚珠を受け取った。

「ありがとう。旅の剣士様、本当にありがとう」

そうお礼の言葉が出ると同時に、視界の左でクエストが進行する。


胚珠をそっと鍋に入れたおかみさんもとい若奥さんは部屋の南に置かれた大きなチェストに歩み寄り、蓋を開け中から古びているが初期装備よりも存在感を持っている赤い鞘に収められた剣、アニールブレードを持ってくると俺の目の前で再度お礼とともに渡してくれた。

「ありがとう」

一言そう呟き、それを受け取った。視界中央にクエスト達成のメッセージが浮かび、ボーナス経験値が加算された。
俺は新しい剣をアイテムストレージに格納すると、近くの椅子に座り込んだ。



今更のように疲労感がどっと押し寄せてくるの感じながら、私はぼんやりと若奥さんの動きを見守り続けた。そのまま、何分経っただろうか。若奥さんは木のカップを取り出し、そっと鍋の中身をおたまで注いだ。


湯気が立つカップを大事そうに捧げ持ちながら奥のドアへと歩いて行った。俺はそれにつられるようについていった。
そこは、小さな寝室だった。壁際のタンスと窓際のベッド、小さな椅子が1つしかない。

そのベッドの中には7〜8歳の少女が横たわっていた。
そして若奥さんはその少女の名前とともにこう言った。

「アガサ。ほら、旅の剣士様が森から薬をとってきてくださったのよ。これを飲めば、きっと良くなるわ」

「うん」

そう言って若奥さんは左に持っていたカップをにぎらせた。

アガサは可愛らしい声で頷くと、カップを小さな両手で支えて、飲み干した。

空になったカップを母親に返したアガサは、俺の存在に気付いてたらしく、立ち尽くす俺を見てにっこり笑ってこう言った。

「ありがとう、お兄ちゃん」

「元気になれよ」

知らず知らずのうちに俺の口からそんな言葉が出ていた。
















Story2-2 END
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