暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-2 1層攻略
Story2-2 初めての悪意
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
させたのだ。


そして、その奥には幾つものカラー・カーソルが出現するのを見た。右、左、後ろ全ての方位からリトルネペントたちが迫ってきた。



コペルは俺に眼を向けることなく剣を左腰の鞘に戻し、近くの藪へと走り始めた。その足取りには迷いがなく、生きることを諦めてない証拠だった。
私は小さな茂みに飛び込んでいくコペルの背中を追った。密生した葉に遮られ、アバターは見えなくなったが、カラー・カーソルは表示されたまま……ではなかった。




距離は20mと離れていないはずなのに、視界から、コペルのカーソルが消失した。転移結晶で緊急離脱したのか、と一瞬思ったがそんなはずはない。あのアイテムは恐ろしく高価でこんな序盤で買えるはずないし、そもそも第1層には売っている店もドロップするモンスターも存在しない。




であるなら、隠蔽スキルの特殊効果。プレイヤーの視界からカーソルを消し、モンスターからはターゲットされなくなる。コペルは、2つ目のスキルスロットを空けていたのではなく、すでに隠蔽スキルを取得していたのだ。初めて会ったときに気づけなかったわけだ。



殺到するモンスター群が足許を地震のように揺らすのを感じながら、俺はそこまで考えて、そしてようやくコペルの意図に気付いた。
コペルは俺を殺そうとしているのだ。彼の発言にもっと早く気づけばこうならなかったはずだ。



敢えて実を割り、周囲からネペントを呼び集め、自分は隠蔽スキルで身を隠す。30を超えるモンスターは全て俺に集まる。実に古典的な手段のMPKなのだ。

「俺を罠に嵌めて、殺して胚珠を手に入れるってことか」

そこまで分かってしまうと、思考はだんだんと冷静になっていった。
その理由の1つに、コペルの計画にたった1つ存在する穴に気付いたからかもしれない。

「知らなかったんだな。

隠蔽スキルを取るのは初めてだったんだな。あれは便利なスキルだけど、万能じゃない。

視覚以外の感覚を持ってるモンスターには、効果が薄いんだよ。例えば、リトルネペントみたいに」

コペルがいるかどうか分からなかったが、俺は離れた茂みに向かってそう語った。




猛り狂いながら、襲いかかってくる捕食植物の1部は明らかにコペルが隠れているであろう藪を目指している。
彼は今頃自分が狙われていることに気付いているだろう。



俺はくるりと後ろを向き、そちらから突進してくるネペントの列に視線を据えた。
背後の敵はコペルを狙うだろうからしばらくは放置しておける。後ろの状況が片付く前に、前方の敵を殲滅できれば、生還できるかもしれない。



俺はピンポイントアタックすることにしてネペントの群へと走り出した。背後で、モンスターの咆哮と攻
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ