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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-24
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、そうか、そうだよな」
「むう、納得してないね? んーっと……それじゃあこんなのはどうかな?」
なんとなく形だけの目的にも聞こえなくない大袈裟な目的に納得できない蓮に束は縛るために目的を与える。
「私のために生きてよ。私のためだけに生きて。私のために尽くして、あなたのすべてを私に尽くして。私のそばにいて。私のことを守って。私と一緒に歩こう?」
「…………! た、束……。冗談だろ、それ。冗談で言ってるんだろ?」
今まで目を合わせようとしなかった蓮が初めて束と目を合わせた。不安げに揺れる瞳に束は訴えるように蓮の右手を取って自分の左胸に押し付けた。
「なっ……!」
「これが冗談を言う時の鼓動? こんなにドクンドクンなってるんだよ。こんなにドキドキしているんだよ。それなのに、今更あしらうつもり?」
蓮の右手には柔らかい感触と一緒に束の心の音が伝わってくる。感触に顔を若干赤くしたものの、鼓動を聞くとすぐに顔の赤みが引いていった。
ああ、こんなにも自分のことを思ってくれているんだ。こんなにも自分のことを大切だと思ってくれているんだ。こんなにも自分のことを必要としてくれているんだ。そう思うと熱いものが込み上げてくる。……何だか不思議な気分である。
束は蓮の手を胸から話すと正面から蓮に抱きついた。首に手をまわして二人の距離が急速に近づく。容赦なく彼女の胸が押しつけられる。けれども蓮にはそれを楽しもうとする余裕はない。心臓の鼓動がバクバクと張り裂けそうなくらい高鳴っているのが分かる。でも彼女の鼓動も伝わってくる。蓮と同じぐらい強く、大きく、高く鳴っている。
不意に束が目を閉じた。そしてゆっくりと顔を蓮の顔に近づけていく。蓮は動けなかった。
二人の距離が近い。お互いの吐息がお互いの顔にかかるぐらい近くなっている。束は閉じていた目を開くと、恥ずかしそうにはにかむ。その瞬間――――。
「んっ」
――――いったいどれくらいの間そうしていたのだろう。たとえあの時間が僅かでも一瞬でも二人には一分にも十分にも感じられた。
ゆっくりと二人は離れる。依然、抱きついたままであるが。視線を合わせると彼女は顔をほんのりと桜色に染めながら、笑った。
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