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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-24
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にとって束はISで宇宙に行きたかっただけ。そんなただの少女だった。ちょっと特殊な女の子だったはずなのに、いつの間にかこんなにも変わってしまっていた。過去にばかり囚われて今を見ていなかった。未来を見ていなかった。痛いほど感じさせられた。痛感させられた。
取り敢えず、今はこの場所から逃げ出したかった。みんな変わっているのに、自分だけが変わっていない事実から逃げるために。現実逃避。
「御袰衣。お前は基本学園から出ることを禁ずる。勿論例外も存在する。束も学園内にいてくれ。今聞いた話もそうだが、お前たちが亡国機業にいたという事実を公言はできない。そんなことになったら、お前たちの人権なんてものはあってないようなものに成り果ててしまうからな。そうだな……御袰衣はこれまで通り学生として、束は学園のメカニックとしていてくれないか?」
「ふん、分かって言ってるのか。どうせ俺たちに拒否権はないんだ。いいよ、従ってやるよ。大人しく学園の中で繋がれて……いや、何なら学園の狗として働いてもいい」
「えぇー。れんくん専属のメカニックが良かったな。今までもそうだったし。……でも、しょうがないかな。ただし、条件をつけさせてもらうよ」
「……叶えられる範囲なら」
「れんくんと同じ部屋にしてよ。今はたっちゃんと一緒なんでしょ? 別に三人部屋でも構わないかられんくんと同じ部屋にして」
千冬は束の条件を呑んだ。むしろそれぐらいならと見返りが少なくて助かると言わんばかりに声が弾んでいた。まったく現金な女だ。だから男が出来ないんだよぉーと束は内心思う。でも絶対に口にはしない。
私はれんくんとだけいられればいい。あとはいらない。れんくんが好きになっちゃった人とはその幸せを分かち合うだけ。……でも、私だけを見ていてもらいたい。
確約を取り交わすと取調室に二人だけ残されて千冬をはじめとする教師たちは出て行ってしまった。それを待っていたかのように束は蓮に近づく。
先程から一切話していなかった蓮であるが、その表情はどこか陰りのあるものだった。まるで何か思いつめているときにする顔。というよりそのものだった。
そしてそんな彼のちょっとした表情の変化に気付かないわけがない束。彼達は幼いころから一緒にいるのだ。――――そしてこれからも一緒にいるのだろうか。
……失礼、あまりにも当たり前のことを訪ねてしまった。
彼女は彼にあやす様に話しかける。その瞳に愛おしさだけを詰め込んで。
「どうしてそんな顔をしているの?」
「……ん? ああ、いやどうして俺はこんなことしているのだろうか、とな思っちゃってな」
「この世界を根本的に叩き直すため。それが目的だよ。二人で住みやすい所を作るためにこの世の中を変えてしまう、それがこの行動の大元なの」
「む
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