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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-24
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ているのかさっぱりわからないのは千冬。蓮は何も話さないと態度で示した。頬杖をつき横の壁をなんとなく見ている。
 千冬としては自分から話してほしかったが、どちらにせよ結果的には話してくれるのだから問題はなかった。


「聞きたいことはたくさんあるのだが……一つずつ聞いていくとしようか。どうして亡国機業なんかにいたんだ? 特に束の性格なら誰かの下につくのは嫌がるだろうに」
「そんなのは知らないよ。ただわたしはれんくんがいたから入っただけであって、そんな組織には明確には自分から入ったとは言えないよ。……でも、しいて言うなら私の目的とほとんど変わらなかったからと言っておくよ」


 釈然としない。できれば蓮からも聞きたいのだが、相変わらず蓮はどこかを見ている。束もこれ以上はこの話題については何も言わないと言わんばかりに口を瞑んでいた。
 今一どころかかなり納得できないのだが、それでも無理やりその少ない言葉で理解するしかない。いつものことだが束の相手は疲れる。その上蓮と来ている。いつものストレスを軽く超えてストレスが襲ってくる。……胃に穴が開きそうだ。


「次に行こう。……そもそも、束と蓮はいつから会っていたんだ? 最初からそんなに仲が良かったのか?」
「いつから、はさして問題じゃないよ。……私はね、今でこそこんなにれんくんにくっ付いているけど、最初はれんくんのことが大嫌いだったんだ。小さいころから天才だったれんくんを殺したいと感じてしまうほど嫌いだった。でも、ふとしたことがきっかけで私はれんくんのことが大好きになった。私のすべてをあげたよ。そうまでしても私はまだ足りない、そう思っちゃうんだ」


 同族嫌悪。
 天才であった束が天才を認めるとは思わなかったが、直観的に頭の中を過ぎった。
 天才であるがゆえに孤独だった二人。そんな二人が惹かれあうのは当然のことなのかもしれない。束は明らかに蓮に依存している。千冬はこんな束を見るのは初めてだった。
 自分の知らない彼女の姿に千冬は何とも言えなくなった。少し変わる表情の中に感じる妖艶な雰囲気。本当に束は蓮にすべてを捧げたのだろうか。ずっとさっきからそればかり気になってしまう。


「……恐らく最後の質問だ。束、お前は亡国機業にいて何をしようとしていた? 何が目的だった?」
「…………。ハアッ…………やれやれずいぶんと今更な質問をするんだね、ちーちゃん。本当に私の幼馴染なの? もしそうならやっぱり正解だったよ」
「何っ……? 何のことだ、束。一体何のことを言っている」
「べぇつにぃ〜? なんでもないよぉ〜。……話を戻すけど、私の目的は今も昔も変わらない。ずっとずっとずぅっと変わらないんだ」


 彼女は目的は話さなかった。けれども、昔からずっと変わらないと言った。千冬
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