九校戦編
第12話 スピード・シューティング
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に行く」って言ってたよなと思い出した。それとは別に、美月には
「僕の競技を見てくれるのなら、メガネをかけたまま観ていてほしい」
「ええ、どうしてですか?」
「精霊魔法を使って、大量に精霊を使役するから、目を傷める可能性があるよ」
「スピード・シューティングで精霊魔法ですか?」
「そう。楽しみにしていてね」
観たい競技に、メガネをつけたままというのも何だろうが、美月がメガネをはずしたところって、ほとんど見かけないから、念のためのダメ押しだ。
その頃、一高の天幕では、競技を移すモニターを見ていた真由美は、
「リンちゃん。陸名くんのCADって、何の変哲もない汎用型CADよね?」
「そうですけど、決勝トーナメントと違って、予選なら汎用型CADを使うことは、過去にも事例はあります」
「それって、これから何かあるわけかしら?」
「観てのお楽しみです」
鈴音の返答に、真由美もこれ以上は特に聞いても無駄だと思い、陸名翔の競技をみていたが、試合開始の合図が出て、クレーが発射されたのに、打ち落とされない。しかし3枚ばかり逃したところで、4枚目からクレーが破壊されていった。
「有効エリアに入って1m前後で打ち落としているのに、最初はなぜ打ち落とせなかったのかしら」
ぽつりと独り言のつもりで言った真由美に、鈴音が答えた。
「振動系魔法のエリア構築と、風の精霊魔法によるエリア構築に時間がかかるため、最初の7秒ほどは、射撃に割く余裕が無いようです。ただ、このあとは順調のようですね」
「風の精霊魔法? スピード・シューティングで古式魔法を使うなんて……知らないわよ?」
「そうですね。彼が始めてでしょう。彼の起動式は『プシオン誘導型サイオン起動理論』に基づくものなので、古式魔法を設定したCADと相性がよいとのことです」
「プシオン誘導型サイオン起動理論?」
「はい。魔法でサイオンが利用されるのは、魔法師にとっては周知の事実ですが、その魔法にはプシオンが必ず付随するという説があります」
「説なのね?」
「はい」
「それで?」
「この説をモデル化して、理論だてたのが、『プシオン誘導型サイオン起動理論』で古式魔法師がCADをしようする時に、使うことがあるそうです」
「使うことがある。そういうことは、少ないってことかしら?」
「その通りです。まずは、デメリットとして、起動式にプシオンに関するパラメータを記述する必要があるのです。これを計測する技術が現在ありません。それで、個人の実体感にもとづいて、パラメータを決定していく必要があるということです」
「そのパラメータの数って?」
「工程単位で約300だそうです。しかも依存関係があるの
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