第17話 俺とあいつと彼女の最期
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こうなる事は決まってて、田中本人もそれを覚悟していて、諦めてなかったのは自分一人だったって事か。やたら余裕があった田中の姿に、状況がよく分かってないんじゃないかと思ったが、実はちゃんと状況を分かっていたのは田中で、自分は果たされる事のない約束に縋ってた……自分が凄く、滑稽に思えた。
「……軽蔑する?……するわよね。私個人として、あなたと交わした約束だものね……組織の都合とは関係なく、交わした約束だもの……それを破ったのも、私個人の判断……組織の義務を、言い訳にはできないわ……」
高田は唇を噛んだ。月明かりに浮かび上がるその表情は、例えようのない苦しさを表していて。小倉は思わず、高田に歩み寄って、その小さな身体を抱きしめた。田中の血で汚れた両手で、その華奢な身体をぎゅっと掴んだ。
「バカ、軽蔑なんてしねえよ。俺はお前を、信じたいように信じたんだ。約束が破られた所で、そりゃ、お前があんな約束、守れる訳ないって事も分からなかった俺の落ち度だよ。お前の事、よく知らない癖に、勝手に信じただけの話さ……」
「ッ……」
高田の小さな肩が、小倉の腕の中で震えた。
「私ね……」
「うん?」
「自分の事なんて、別に分かってもらえなくたっていい、分かってもらえないのは仕方ないって、ずっと思ってきたの。私は……普通じゃないから」
「…………」
「でもね、今は……小倉君にね……私のこと、分かってもらえそうもないのが……何故か悲しい……理解してもらえるように、言葉を尽くす事も許されないのが、凄くもどかしい……分かってもらう事なんて、理解してもらう事なんて、とうの昔に、諦めたはずなのにッ…………」
高田は言葉を詰まらせた。だら、と垂れ下がっていたその細い両腕が、小倉の背中に回され、ぎゅっと抱きしめ返す。高田の頬には、涙がつたっていた。真っ赤な目が、小倉の顔を捉える。高田が初めて、ハッキリと感情を露わにした事に小倉はハッとして、その頭を自分の胸にそっとかき抱いた。高田は小倉の胸に縋って、嗚咽を漏らした。
「……なぁ、高田」
昨晩、高田にやってもらったように、その頭を撫でながら、小倉は囁く。
「……今すぐは、無理かもしんないけどさ……でも、俺たち、まだ生きてるだろ……二人で、時間を重ねていけば、今よりはもう少し、お互いの事……分かるようになるんじゃないか?……信じたいように信じる、そんな恣意的なもんじゃなくて、もう少し……本物っぽい信頼、作っていけるんじゃないか?」
「…………」
高田はゆっくりと、小倉の胸に埋めていた顔を上げた。涙に濡れた高田の目に、再び小倉は捉えられる。互いの息がかかりそうな距離で、二人は見つめ合う。
「……そうね。可能性はゼロじゃ、無いわ」
「……じゃ
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