マブラヴ
0859話
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こうして見る限り、今作業しているのは軍人の類ではないだろう。恐らくは技術者や科学者といったところか。
「まあ、そっちの希望は分かった。本題については後に置いておくとして、まず話ってのは?」
「そうだな、幾つかあるが……君達シャドウミラーの持っている技術が素晴らしいというのは、アラビア半島防衛戦や、私は行けなかったがそちらの世界から提供される予定の展示会での報告、そして実際に何機か購入した機体や武器の類で理解している」
頷きつつ、言葉を選ぶように告げてくるビルの言葉に頷き、先を促す。
正確にはあの中に俺達シャドウミラーの純然たる技術で生み出された機体は無いんだが……敢えて上げるとしたら、ガン・ルゥ改か?
もっとも、ビル達が満足しているのなら、わざわざそれを口にする必要はないだろう。
「それで、だ。実は現在国連でプロミネンス計画という計画が進んでいてね。……正直な話、アメリカとしてはこの計画にはあまり感心を持っていなかったのだが、君達シャドウミラーの存在で俄に注目を浴び始めている」
「プロミネンス計画?」
「先進戦術機技術開発計画。簡単に言えば、国連に参加している各国が自分達の持っている情報や技術を交換して高性能な戦術機を作りだそうという計画だよ」
「へぇ、中々いい計画だと思うが?」
このマブラヴ世界では、戦術機が開発された当初はアメリカの開発したF-4がメインであり、それを各国用に改造するといった手段をとっていた。
日本帝国のF-4Jなんかはまさにその典型といってもいいだろう。
だが、最近は各国が独自の戦術機を開発している。
日本のTYPE94、飛鳥計画の機体、スウェーデン王国のJAS-39。他にもEUやフランスといった国や、勿論アメリカも同様にだ。
そうなれば当然独自技術の類が生み出されるだろうし、それを一国だけで独占出来るような状況では無いのも事実。
……そうは言っても、この世界の住人は長年BETAとの戦いを続けているためか、自分達が絶滅寸前だという自覚がないんだよな。
ともあれ、そういう絶対に国外に出せないような技術はともかく、国外に出してもいいような技術をお互いに公開するとなれば、どの国の技術力も上がるだろう。
そんな俺の思いとは裏腹に、ビルは首を横に振る。
「残念ながらその考えは我が国の戦術機ドクトリンとは合わないのだよ。G弾、というのを知っているかね?」
「……ああ」
以前レモンが呆れたように寝物語で口にしたのを覚えている。
何でも重力関係の技術が非常に未熟な状態で無理に形にしたらしく、下手をすればどんな後遺症が残るか分からないという代物だ。何しろ開発者達でさえどういう理由でそうなるのか理解していないというのだから、レモンにしてみれば笑い話にもならないだろう
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