マブラヴ
0859話
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を通してあるから、そちらの都合が良ければ、出来ればすぐにでも』
「いや、すぐにでもって……これからアメリカに行けってのか?」
お互いの力関係を考えれば向こうからこっちにやってくるのが筋だろうが、幸か不幸か俺はまだマブラヴ世界の住人をホワイトスターに招待するつもりはない。
となると、オーストラリアのゲートを中心に建設された基地だろうが、アメリカの大統領がわざわざここまで来るとは……
そう思ったのだが、ビルの口から出たのは予想外の言葉だった。
『現在私はシドニー近くにある、アクセルが初めて訪れた基地にいる』
「……何?」
その言葉に、思わず聞き返す。
何しろ、アメリカ大統領だ。当然その仕事は多岐に渡り、忙しさという意味ではこの世界でもトップクラスの筈だろう。そのビルがいきなりオーストラリアに?
視線をレモン達の方へと向けるが、そこで戻ってくるのは全員が首を横に振る仕草。どうやらマブラヴ世界のニュースの類でも、アメリカ大統領がオーストラリアにやってくるというものは流れていなかったらしい。
「とにかくそっちが急いでいるのは分かった。すぐに基地へ向かうから、話を通しておいてくれ」
『ああ、頼むよ』
全く、折角のゆっくりとした時間もこれで終わりか。
とは言え、ここまでする以上は何か緊急の用件があるのは確かだろう。
それから短く言葉を交わして通信を終え、俺は真っ直ぐに転移区画へと向かうべく影のゲートを作り出す。
既にお馴染みとなったオーストラリア国防軍の基地の離発着場。システムXNの転移フィールドが消えた瞬間、俺の視線に映ったのはそれだった。
俺の家から影のゲートで転移区画へ。そこからシャドウミラー代表の権限で優先的にマブラヴ世界へとゲートで転移し、そこからニーズヘッグに乗って再びシステムXNで転移。
ビルとの通信を終わってからここまでに掛かった時間は約2分。色々な意味で移動距離を無視した俺は、突然離発着場に現れたニーズヘッグに何事かと駆けつけてくる軍人達の目の前で機体から降り、そのまま空間倉庫へと収納する。
こっちを見ている軍人は多いが、ニーズヘッグの偉容、あるいは威容や異様ともいえる姿に固まっている者も多い。
実際、ニーズヘッグの能力を考えればそうなっても不思議では無いが。
それでも迎撃の戦術機が現れたりしないのは、やはりアラビア半島での映像を見ており、シャドウミラーの象徴だと知っている者が殆どだからだろう。
中には最近この基地に来たばかりなのか混乱している者もいる。だが、そんな軍人には近くにいる軍人が事情を説明していた。
そんな中、既に俺の担当に等しい軍人がこちらへと走り寄ってくる。
どうやら幸いにもこの近くにいたらしい。
「アクセル代表!
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