外伝
外伝《絶剣の弟子》@
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いやそれ以上に巨大な龍の鋭い牙が俺の足先を掠める。
巨大故にスピードは遅いが、一撃でも貰えばただでは済むまい。
「ユウキさん!近道は良いですけど!ここ、かなり難易度高くないですか??」
「んー、そんなに気にした事無いから分かんない!」
爪や牙、翼などの攻撃をギリギリのところでかわしつつ、4匹相手に奮闘しているユウキさんに声を掛ける。が、返ってきたのはちっとも安心出来ない言葉だった。
初っ端から強者であったが故の無自覚か……一生懸命教えてくれるのはありがたいと思っているが、師事する人としては間違ってしまったようだ。
「うわぁ??」
巨大な顎が足のすぐ下でガチンと閉まり、慌てて足を引っ込め真上へと逃げる。この手のモンスターは翼で羽ばたくが故に真上へ追いかけるのは苦手としている。上昇モーションには割と時間がかかる為に一番安全なルートだ…………別の龍がいなければの話だが。
「グオオォォォッ????」
「うおぉぉぉっ??」
半ばヤケクソ気味に左旋回して頭上からの新手を避ける。これでこの場には6匹の龍がいることになる。
「ユウキさん!もう一体来ましたけど??」
「はいよー」
こんな状況だと言うのに相変わらず緊張感の欠片もない返事しか帰ってこない。1匹引き付けるだけでも苦労しているというのに2匹もどうしろと言うのだろうか。
「やぁっ??」
4匹の龍の波状攻撃を巧みにかわしては反撃していたユウキさんが突然声をあげた。その手に持つ剣は青く輝き、不可視の速度で動き始める。
単発ソードスキル《バーチカル》
縦から垂直に剣が振り下ろされ、真正面にいた龍を真っ二つにする。単発技の為に短い硬直時間で復帰すると、再び構えを取る。剣が再び光を放ち、ユウキさんの姿が消える。
突進系ソードスキル《ソニック・リープ》
1匹目とは逆位置にいた龍が消え去り、ユウキさんの周りにいるのは残り2体となった。その内1匹が技後硬直中のユウキさんに背後から迫る。
「あぶ……っ??」
「危ない!」と叫びそうになったその言葉が途中で引っ込む。片手剣が光を帯びている。硬直が解けた瞬間、既に反撃の準備は出来ていたのだ。あれは基本中の基本のソードスキルである《スラント》。
スラントは斜め上から斜め下への袈裟斬りが一般的だが、斜め下から斜め上の軌道で発動することも可能だ。つまり、少し体をずらしてやれば背後から迫る敵をーーー
「はぁぁぁっ!」
「グオォォォッ??」
3匹目も同じようにポリゴン片に変え、間髪入れず再び突進系ソードスキルの構えを取る。剣を下に垂らしたあの構えは《レイジング・スパイク》。
一瞬で4匹の龍を始末したユウキさんはこちらに向き直るとニコッと笑った。
仲
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ