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外伝
外伝《絶剣の弟子》@
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な……」

 一転。今度はユウキさんが顔を赤くして頬を掻く。普段は元気一杯、天真爛漫という言葉が似合う様子なのに時折こういったしおらしい『女の子』が出てくる。そのギャップがまた俺の心中に波を立てるのだ。

「……と、そんな事よりそろそろ武器と防具一式更新した方が良いかな。初級ダンジョンはもう飽きたでしょ」
「確かに物足りなさは出てきましたが……まだまともに翔べないですし」
「どうせダンジョンの中はほとんど翔べないから大丈夫!『人間追い詰められた時が一番活き活きしてる。実力を上げたいならとことん自分を追い詰めろ。後、こっちは見てて楽しい』ってボクも教わったし」
「……毎回思うんですけどその人、本当に頭大丈夫ですか?特に今のやつの最後、完全にドSじゃないですか」

 ユウキさんの話に時々出てくるその人は中々個性的な人で、言う事なす事がかなりダイナミックだ。詳しく訊いたことは無いが、多分ユウキさんがALOを始めた時に色々教えてくれた人なのだろう。ユウキさんがその人の事を話す時はどこか嬉しそうで、同時に寂寥も感じた。恐らく、何らかの理由で会わなくなったとか、その人がALOから居なくなってしまったとか、そんな事情があるのかもしれない。

「そうだねー。ちょっと頭がどうかしてる時もあるけど、それでもどうにかしちゃうんだよ」
「はあ……」

 苦労してたんだなと勝手に納得し、ユウキさんの提案に従う事にする。初心者クエストが終わった後に例の鱗を売り、インプ領で手に入る中で最も強力かつSTR値に見合う店売り防具に更新しただけあって初期装備とは一線を画すが、強化しない限り中級ダンジョンの難易度高めの方では心許ないらしい。
 武器もそれに応じて更新しないとならないのは言わずもがな。だが、ある意味これがRPGの醍醐味と言うものだろう。

「分かりました。武器と防具を揃えに行きましょう。あてはあるんですか?」
「うん。ボクの友達に頼めばすぐ作ってくれるよ。それじゃあ、しゅっぱーつ!」
「え……?つく……って?え、プレイヤーメイドのにするんですか??」

 プレイヤーメイドは質がNPCショップより上がるものの、値段はかなり跳ね上がる。いくら資金が潤沢とは言え、大丈夫なのだろうか。

「あの、それでユウキさん。そのお友達さんは何処に……」
「イグドラシル・シティ!」




 その昔、アルヴヘイム央都《アルン》を囲む平原には強力なモンスターは大してポップしなかったらしい。だが、今やそこはアップデートによる改変で高レベルモンスターが跋扈する。故に腕に自信が無い者がアルンに行く場合、設定された迂回ルートを行くしか無いのだが……

「うわぁぁぁ??」
「ごめーん、もうちょっと頑張ってね」

 さっきの鳥型モンスターの10倍……
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