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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》@
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 アルヴヘイムオンライン。数あるVRMMOの中でも特に有名なそれは初心者には少しハードルが高い。プレイヤースキル制……つまり、アバターの身体操作をプレイヤーの運動能力に依存し、システム的サポートは一部を除いて無いに等しい。チュートリアル代わりの初心者クエストをこなし、最低限楽しめるだけのアイテムを渡されれば古参新参入り乱れる、剣と魔法の世界に蹴り出されるのだ。
 志望した高校に受かり、新生活にも段々と慣れてきた4月半ば。念願だったアミュスフィアとALOのパッケージを手に入れ、VRデビューを果たした《ライト》こと『南 光(みなみ ひかる)』は選択したインプ族のスタート地点、首都テネブラエ中央街区で途方に暮れていた。

「はぁ……やっぱり難しいの選んじゃったのかなぁ……」

 今までやっていた2Dのゲームならば初心者歓迎を掲げるギルドへの推薦まで提示してくれたりしていたが、どうやらある意味で本物の対人関係を築く事になるVRゲームではそんなサービスは無いようだ。多少リアル運動神経が良いからと言って調子に乗り過ぎたかもしれない。
 かと言ってその辺に歩いている適当なプレイヤーにレクチャーを頼むという対人スキルは無い。2Dでも、必要が無ければソロでやって来た類の人種だ。

「とにかく、簡単そうなクエスト受けて情報集めないと」

 VRゲームは初めてとは言え、前世代のものは相当やり込んだクチだ。この手のものは最初に採取クエストを受けて雑魚を相手に戦い方を学ぶのが常套。そこは変わらないはずだ。
 クエストボードに立ち寄り、すぐに出来そうなデイリークエストと初心者用の採取クエストを幾つか受ける。

「よし!頑張ろう!」

 初期装備のスモールソードを腰に差しラウンドシールドを左手に持つとフィールドに出て行った。






「……って、何でこうなるんだ??」

 死に物狂いのダッシュから横に跳ぶ。飛び退いた場所を巨大な質量が駆け抜けていく。
 アバターの体躯程の太さの牙が見え隠れする顎、強靭な四肢に太い尻尾。黒光りする鱗を全身にまとい、咆哮を上げながら大地を疾走する巨大蜥蜴……いや、地龍だ。

「グオオォォォォォォッッッ????」

 獲物に寸前のところで逃げられたのが気に入らないのか、周囲の木々を片っ端から薙ぎ倒し、血走った目を周囲に巡らせる。すぐに俺の隠れる草陰を見つけると、また野太い咆哮を上げた。

「ひっ……」

 初心者クエストの残りも終盤になり、VR空間での体の動かし方が分かってきた頃、目の前に巨大な巣が現れた。その時受けていたクエストとは何の関係も無かったが、丁度その巣の主もいなさそうだったので後学の為に覗いてみる事にした。
 巣の中にはスヤスヤと眠る小さな龍が5匹いた。なけなしの識別スキルで
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