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白い神兵
第三章
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の将兵達のことも記録に残され報告された。このことは陸軍の領袖である山県有朋や当時首相であったニコポンこと桂太郎のところにも届いていた。桂は難しい顔で報告書を読んでいた。
「これが一つであったならば」
「そうだな」
 首相官邸の首相の執務室には彼の他にもう一人いた。口髭を伸ばした陰気な顔立ちの男こそその陸軍の法皇と呼ばれる山県であった。
「一つならその者の気が触れただけで済む話だが」
「こうも続きますと」
「しかもだ」
 山県は険しい顔でまた桂に言うのだった。
「陸軍だけではないからな」
「確かに。海軍からも」 
 彼等は陸軍がその基盤であるが海軍の話も聞いているのだ。山県も桂も天皇陛下を補佐すべき元老達である。だから国家のあらゆることを聞いているのだ。

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