第三十四話 湖のほとりでその五
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「先輩か八条学園、その上にある八条グループかしら」
「八条グループ?」
「ええ、あそこよ」
菖蒲はこのグループも話に出すのだった。
「私達にとって親会社にあたるけれど」
「八条学園だって八条グループが運営してるからね」
裕香が応える。
「あそこは世界的な企業グループだからお金あるわよね」
「予算も技術もね」
「そうよね、けれど」
「ええ、私達に怪人を差し向ける要素はあるかしら」
「そんな必要ないわよね」
「ええ、全くね」
菖蒲はこう言って八条グループが黒幕である可能性は否定した。
「怪人を産み出すにしても」
「何か不経済よね」
「ああした怪人は科学で作ろうと思えばかなりの予算を使うわ」
莫大なものをというのだ。
「それこそ驚く位にね」
「設備も整えないといけないしね」
「しかも私達に差し向けることが能力テストにしても」
「何か違う感じがするわね」
「私達は死ねばそれで終わりよ」
「機械の方がいいわよね」
「戦力テストをするのならね」
そうだとだ、菖蒲は冷静な言葉で指摘していった。
「機械の方がいいわ」
「それで戦闘力とかをチェックして」
「後は軍事用に使うなりするわね、ただね」
「ただ?」
「八条グループも軍需産業を持っているけれど」
そちらの分野にも企業を持っているだ、だが菖蒲はその軍需産業そのものについても冷静に分析するのだった。
「軍需産業は普通にしていても儲からないのよ」
「あれっ、そうなの」
「売る相手が限られているし設備や技術への投資が大変よ」
「死の商人とか言われるけれど」
「実際はそんなに儲からないの。特に日本ではね」
今自分達がいる国ではというのだ。
「身入りのない分野よ」
「自衛隊にしか売れないから」
「だからね、ああした明らかに予算が必要な存在はね」
「生み出したりすることは」
「ないわ」
間違いなく、とさえ言う菖蒲だった。
「まずね」
「そうなのね、じゃあ誰が作っているのかしら」
「わからないわ、ただ八条グループや他の世界的な企業グループの可能性はね」
「採算とかを考えるとなのね」
「ああした存在は生み出していないわ」
そして自分達に差し向けて来ないというのだ。
「それが国家でも同じよ」
「生物兵器とかも」
「生物兵器ね」
「SFとかであるから」
「それなら機械の方がいいと思わない?」
「アンドロイドとかサイボーグとか」
「そうした分野を開発、製造する方が採算が取れるわ」
とにかく採算が第一だというのだ、どんな国の政府でも採算が第一だというのだ。
「機械なら大量生産も可能よ」
「そこは他の兵器と同じね」
「そうなるわ、そうしたことを考えていっても怪人達はね」
「何かよくわからない連中ね」
「訳
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