第百九十二話
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第百九十二話 本分
華奈子と美奈子は二人でそれぞれの机に並んで座った。そのうえでその宿題の残りを開いてだった、二人ではじめた。
その時にだ、華奈子は算数の問題をあっさりと解いた。美奈子は華奈子がそうしたのを見てこう言った。
「すぐに終わったわね」
「合ってるわよね」
「ええ、正解よ」
回答を見てだ、美奈子は華奈子に答えた。
「それでね」
「そうよね、難しい問題だけれど」
それでもとだ、華奈子は美奈子に答える。
「何か解ける様になったわ」
「華奈子やっぱり」
その華奈子にだ、美奈子はこう言った。
「成績よくなってるわ」
「こうした問題も解ける位に」
「ええ、よくなってるわ」
そうだというのだ。
「前よりもね」
「前のあたしはね」
「まあそんなに悪くなかったけれど」
「今よりはね」
「今みたいな難しい問題は」
「うん、適当に答え書くだけだったわ」
正解は最早天のみぞ知る、であったのだ。かつては。
「それが変わったわね」
「勉強はしているとね」
「上がっていくのね」
「同じ問題を何度も解いていくといいの」
「美奈子の言うやり方ね」
「それをすればいいの」
学校の成績を上げるには、というのだ。
「華奈子もそうしたら」
「成績上がったから」
「そうでしょ、難しいことは考えないで」
「問題を何度も何度も解くのね」
「同じ問題をね」
まさにというのだ。
「それでいいの」
「今は算数をしているけれど」
「他の科目も同じよ」
「頭に入れるってことね」
「それに徹すればいいの」
「何か簡単ね」
「帝国海軍式らしいけれど」
海上自衛隊の前身ともされている、とはいってもその精強さは自衛隊のそれよりも上だと言われることが多い。
「そうしてみたら私も成績上がったし」
「あたしもね」
「それで今も解けたから」
「いいみたいね」
その海軍式がと話す二人だった、そうしたことを話しながら宿題をしていったのである。
第百九十二話 完
2014・12・5
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