空白期 中学編 03 「新たな出会い」
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入学式も無事に終わり、俺を含めた生徒達は各々の教室に移動した。
俺が今年1年所属するクラスは1−A。身近な人間でいえば、アリサもこのクラスに所属している。まあ必要がなければお互いに話すことはないだろうが。はやてにディアーチェは隣の1−Bに、残りのなのは達はそのまた隣の1−Cだったはずだ。
それなりに分かれたようにも思えるが、教室の距離を考えると会おうと思えばすぐに会える。毎時間のように騒がしくなるのではないだろうか。
おしゃべりをするクラスメイト達をよそに、自分の席に座ってそんなことを考えていると、不意にドアが開いた。
「静かにしろ。HRを始めるぞ」
有無を言わせないトーン低めの声と共に現れたのは、黒いスーツにタイトスカートの女性。すらりとした長身であり、鍛えているのか無駄のないボディラインをしている。狼のような吊り目のせいか、視線が合った生徒から悲鳴が漏れた気がしたが……気にしないでおこう。
――何ていうか……武人みたいな先生だな。立ち振る舞いとか隙が……ッ!?
突然感じた殺気めいた気配に反射的に飛び退きそうになった。しかし、今そんなことをすれば周囲の視線を集めてしまう。そうなれば理由を聞かれかねない。魔法世界ならともかく、地球の学校で殺気を感じたもので……、なんて言えるわけがない。
「ふ……さて」
殺気めいた気配を飛ばしたと思われる女教師が一瞬笑ったように見えたが、何事もなかったかのようにチョークを手に取ると黒板に何か書き始めた。流れからして自分の名前を書いているのだろうが、俺は彼女が何者なのかのほうが気になって仕方がない。
あの人……何かしらの武術でも修めてるのか。少なくともただの教師じゃない……あれでただの教師だったら、地球は化け物の巣窟になる。
などと考えていたときだった。隣の教室から甘ったらしくも元気な声が響いてきたのは。
『やっはろ〜! 卒業するまで一緒の子もいるかもしれないけど、まあとりあえず今年1年このクラスの担任をします篠崎むすびで〜す!』
隣の先生は元気だな、と思ったのと同時に、チョークが砕ける音が教室に響いた。おそらく篠原という教師の声に驚いて力加減を誤ったのだろう。我らが担任は一瞬の静止の後、何事もなかったように乱れてしまった字を消して、再度自分の名前を書いた。
「諸君、私は織原千夏だ。今年君達の担任を務めることになった。気に食わなければ逆らっても構わんが、私を納得させる理由がなければ倍以上に怒られると思え」
……しょっぱなから言うことじゃないと思うんだが。まあある意味どんなことにも聞く耳は持ってくれるとも取れる発言だけど。
『おや〜、そこのふたりはそっくりだね。えっと、八神はやてちゃんにディアーチェ・K・クローディアちゃん……名前がずいぶん
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