空白期 中学編 03 「新たな出会い」
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てやシュテルよりも性質が悪い。
「会って間もない人間とデートするほうがおかしいと思うんだけど?」
「お互いのことを知るためにデートしようって言ってるんだけど?」
「いやいや、デートの前にやることって色々とあるだろ。過程をぶっ飛ばしすぎ。それに……俺は放課後用事があるから」
「用事? むふふ……誰かとデートかしら?」
うわぁ……すっごく誰かと似てるにやけ面だ。やっぱり同種の人間ってこのへんも似るんだな。あいつは感情をあまり出さないけど、やろうと思えばやれそうだし……
「すみません、このクラスにキリエって子がいると思うの……ななな何をやっているんですか!?」
突如響いた驚愕の声に、俺の視線は自然とそちらに向いた。こちらに近づいてきている人物は、深いピンクの長髪を三つ編みにしている女生徒。よく分からないが、なぜか顔が髪色と同じくらい赤面している。
「キ、キリエ、あなたは何をやっているのですか!?」
「あらお姉ちゃん、ここは1年の教室よ。何しに来たの?」
「何しにって、キリエのクラスがHR終わってるかどうか見に来たんです。帰っている生徒がいるのになかなか出てこないから覗いてみれば、見知らぬ男子と……って、話を逸らさないでください!」
不純異性交遊って思ったのか……ただ話してただけなんだけど。まあ確かに適切な距離感ではなかったとは思うけど。ていうか……キリエって子、今この人をお姉ちゃんって呼んだよな。……髪色やら性格は大分違うようだけど、顔のパーツとかは似てるな。
「もう、何をそんなに怒ってるのかしらん? もしかして嫉妬してるの?」
「異性にあんなに近づいて話していたら心配にもなります、って何で嫉妬するんですか! 私だって男の子とくらい話せます!」
「何でって……この子、あのショウ君よん♪」
「――っ!?」
妹に何か耳打ちされたお姉さんは、今まで以上に顔を赤らめながら視線をこちらに向けてきた。表情から察するに何やらテンパっているようだが……
「キキキリエ、ほほ本当なのですか?」
「ええ、自己紹介のときも夜月翔って言ってたし。それに面影だってあるじゃない?」
「面影……む、無理です。恥ずかしくて見れません!」
キリエって子のお姉さん……コロコロと表情を変えながら騒いでるけど大丈夫なのか。理由はよく分からんが……何度かこっち見ているし、もしかして俺が原因だったりするのか?
「あ、あの……」
「は、はい!」
「えーと……俺、あなたに何かしました?」
「い、いえ、別に何もされて……いや、何かしたかといえばしたんですけど」
顔を赤らめ、もじもじしながら何か目で訴えてくる先輩。しかし、俺の記憶が正しければこの人と出会ったのは今日が初めてのはず。何かをした覚えはないのだが…
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