空白期 中学編 03 「新たな出会い」
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と違うけど、何か訳ありの姉妹なのかな?』
うん……そっくりだから言いたくなるのは分かる。けどさ……訳ありのって聞き方はどうかと思うな。普通に考えて教師がそんな聞き方しちゃダメだろ。
『違います! 我とこやつは赤の他人です!』
『ぐすっ……ひどい。せっかくこうして会えたんに……姉やんはわたしのこと嫌いなん?』
『悪ノリするな! 誰が貴様の姉だ!』
『こらこら、妹にそんなこと言っちゃメッ! だぞ』
『妹ではないと言ってるではありませんか!』
隣の教室から響いてくる声に、俺は思わず顔を手で覆った。
はやてと同じクラスというだけでも大変なのに、まさか担任まであんなだとは……ディアーチェ、帰ったら気の済むまで愚痴は聞いてやるから。だから今日……そしてこれからの日々に負けないでくれ。
内心でディアーチェを励ましながら意識を担任に戻すと、彼女も顔を手で覆っていた。その姿や発せられている雰囲気からして、怒っているというよりは呆れているように見える。もしかすると、隣の担任とは昔からの付き合いなのかもしれない。
「あー……初日からあれこれ言うのもなんだが、これだけ言っておく。課題を忘れたりすることもあれば、ケンカをしたり問題を起こすこともあるかもしれん。だがなお前達が間違ったことすれば、きちんと正してやる。だから、ああいう大人だけにはなるな」
俺を含め生徒達は返事をしなかったが、今の織原先生の言葉に切実な想いが込められているということだけは分かったことだろう。そして……おそらく隣の担任のような大人になるのは、普通の人間ではなろうと思ってもなれないとも思ったはずだ。
「さて、今日すべきことは、あとは学級委員を決めるだけだ。お前達もさっさと帰りたいだろう? 自分から立候補する者はいないか?」
確かに誰もが帰りたいと思っているだろう。しかし、ここで自ら学級委員になろうとする人間なんているはず……
「えっと、じゃあ僕がやります」
いた……自分から学級委員なんて面倒くさそうな仕事を引き受ける奴がいたよ。
男子の中でも小柄で華奢な体格をしていて顔も中性的。声も高めということもあって、私服だと女の子に間違われてもおかしくない男子。名前は小島……小島……
――えっと……小島何だっけ?
小島とは小学校のときから何度か同じクラスだったことがあり、何かと俺に話しかけてくる男子だったので赤の他人と呼べる関係ではない。しかし、下の名前で呼び合うような仲ではなかったし、クラスメイトは全員彼のことを小島か委員長と呼んでいて下の名前で呼ばれているのを聞いたことがない。
「他に立候補する者はいるか? …………よし、じゃあお前がこのクラスの学級委員だ。しっかりと励め」
「は、はい!」
「よし、では終礼を……えぇい
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