十七話:俺の右手が唸る!
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のどの攻撃よりも効いたかもしれない……。
「ゴホン…という事はだ。お前は、戦う理由がないのか?」
「ま、まあ、最初はいきなり言われて驚いたけどさ……。今は部長に選ばされるんじゃなくて自分で選んで欲しいと思っているんだ」
何も言わずに黙って俺の話を聞いてくれるイザベラ。
「“一族”の縛りで選択させられるなんてさ―――気に入らないんだ」
「っ!?」
一瞬だけ俺が出した殺気に怯み後ずさるイザベラ。
「本当に気に入らない。自分が望んで生まれたわけでもないのに無理やりに選ばされる。
どれだけ抗おうとしても決して逃れることない宿命」
淡々とした声で……自分でも驚く程冷たい声で話す俺。
「だからさ……“一族”とかで選択をしようとかさせようとかする。
そんなやつらを―――許せないんだ」
俺の気迫に気圧されて動くことが出来ないイザベラに一瞬で詰め寄る。
そして、体を屈めて力を溜める。
「だから俺はこのゲームに勝って部長に自分の意志で……過ちの無い選択をして欲しいんだ!」
全身に溜めた力を全て右の拳に込めてイザベラの腹部に目掛けて放つ。
これが俺の努力の末にマスターした技―――
「絶拳ッ! ぬおりゃああああああっ!!」
―――『絶拳』だ!!
「ぐああああああああっっ!!?」
『ライザー様の『戦車』一名、『騎士』一名、リタイア』
光となって消えていくイザベラ。そして同時に祐斗がカーラマインを倒したみたいだ。
ついに、俺は腹パンで人を殺せるレベルまで来たようだ。
イッセー、お前の犠牲は忘れない!
「生きてるわ!?」
だからなんで分かるんだ。
それと『絶拳』の反動でまた傷が痛くなった。
アーシアに治してもらうか?
『皆さん、聞こえますか!?』
そんなことを考えていると突如耳に響いてくるアーシアの焦った声。
何かがあって通信してきたんだな。
『大変なんです! 部長さんが………部長さんが!!』
「アーシア。まずは落ち着け」
何とか落ち着かせて要件を聞いてみるとそれはかなり悪い知らせだった。
『部長さんが単騎で相手の本陣に向かいました!!』
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