十七話:俺の右手が唸る!
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にはそこを守るだけの人員が割けないしな」
そんなことに貴重な戦力を使っても仕方がない。
少しでもライザーにぶつける戦力を残さないと…。
レーティングゲームは『王』を倒さない限りは終わらないんだからな。
「じゃあ、早いとこ、ここから移動しようぜ」
「……はい。……次は――「二人共伏せろ!」――っ!?」
目の前に閃光が広がる。爆発か!?
俺はとっさに爆発から守る為に二人を押し倒してその上に被さる。
その一瞬後―――
―――バァァァァァァン!!!
耳をつんざく様な爆音が聞こえてくる。
「人間の身でよく反応出来たわね。狩りで一番危険な瞬間は獲物を狩った瞬間なんだけど。まさか避けられるとは思わなかったわ」
爆発で出来た煙の中から聞こえてくる声。
……上か。二人の上から起き上がりだんだんと晴れていく煙の先を睨みつける。
現れたのは髪が長く少し大人っぽい女性。……相も変わらず女性か。
本当にライザーってやつは女好きなんだな。実はイッセーと気が合うんじゃないのか?
「……っ!? ……ルドガー先輩…っ!」
「どうしたんだ? 小猫」
「どうしたって…っ! ルドガーお前背中を怪我してるじゃねえか!!」
「ああ……気にするなって。痛くないから」
そう言って二人に笑いかける。
イッセーの言う通り俺の背中に傷を負っている。
さっき二人を庇えたのは良かったんだけど。
自分は無傷とはいかずに爆発の影響で背中に火傷を負ってしまった。
………それと制服が焼けてしまった。金がまた必要になるな…はあ。
「痛くないって! お前―――」
「この程度、痛くも痒くもないさ」
こんな物、エルが俺の代わりに時歪の因子化した痛みに比べたら―――。
俺のせいで大切な物を失ったエルの痛みに比べれば―――。
俺の為に傷つき続けた兄さんの痛みに比べれば―――。
大切な者を失う痛みに比べれば―――。
「痛くも痒くもないさ」
そうもう一度言って二人に笑いかける。
そんな俺の表情を見て二人共何か言いたそうだったが結局何も言わないでいてくれた。
ありがとうな。
「大丈夫ですか? ルドガー君」
「朱乃さん。心配しないで下さい」
巫女服を纏った朱乃さんが俺達を庇うように相手の前に降り立つ。
「さて……私の後輩を可愛がってくれたみたいですわね。ライザー眷属の『女王』……別名『爆弾女王』さん」
「うふふ……『雷の巫女』と名高い貴方に知られているなんて光栄だわ……でも、個人的には……その名はあまり好きではないのよ」
何だか、みんなカッコイイ名前を持ってるな。
俺はどうなるかな? ……『器用貧乏のルドガー』。
よし、
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