暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
86話:銃を持つ者の覚悟
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ギリで回避した。


 その魔力弾の向かう先に―――ウイングロードの上を走る、スバルの姿が。


「あっ―――」
「なっ―――」


 気づいた時には、もう遅かった。

 撃ち出した魔力弾が多すぎて、制御が上手くできなくて、今更コースの変更なんてできない。
 スバルも気づくのが遅く、すぐに回避行動に移ることができない。

 これは、もう―――











 ガァァンッ!

「「―――っ!?」」


 当たる、そう思った瞬間にそれは起こった。
 スバルに向かって真っすぐ進んでいた魔力弾の前に、『何か』が遮った。その『何か』と魔力弾が当たって、魔力弾が弾け飛んだ。
 魔力弾を弾いた『何か』は、空中で回転しながら落下し、突き刺さった。

 それはいつかの訓練で見た、士の武器だった。


(それじゃあ、士さんは…!?)


 ティアナはそう思って先程まで士が戦っていた場所へ、視線を向けた。


 そこには複数のガジェットに囲まれた、あの人の姿が。だがそれは生身ではなく、ティアナ達に一度だけ見せた『ディケイド』の姿だった。

 士は目の前のT型ガジェットをその拳で粉砕、さらに後ろから攻撃しようとしていたT型の胴体の末端に回し蹴りを当て、バランスを崩させて攻撃を外させる。
 そこへダンスのように背中を地面に向けた状態で両手を地面について、そこから横向きになったガジェットに踵落としを噛まし粉砕。爆発の勢いを利用して倒立して、そのまま地面に足を付ける。

 その背後にいたV型のミサイルが飛んでくるのを、バック転で避けてさらにV型に近づく。近づく士にV型はアームを伸ばし、士に突き出す。
 それをふり返りながら腕で弾き、V型の胴体に手を当て、掌底を放つ。掌底を食らったV型は勢いよく吹き飛んでいき、他のガジェットも巻き込んで爆発した。


「―――……」


「っ……」


 しかしその時の士を―――ディケイドを見たティアナは、一瞬その姿に怖いものを感じた。


「―――士!」
「……ヴィータか…」


 その時丁度戻ってきたヴィータが士に声をかけた。士はその声に静かに返事を返した。
 いつもと違う様子が気になったのか、ヴィータは眉を寄せた。しかしその様子も知ってか知らずか、士はガンモードのライドブッカーを向けガジェットを打ち続けながら、ヴィータのところまで下がった。


「ヴィータ、悪いがここを任せていいか?」
「はぁ? 任せるって、お前はどうすんだよ?」
「…ちょっとした野暮用だ」


 それを聞いたヴィータはさらに眉間のしわを深くし、士の目を―――つまりはディケイドの複眼をじっと見つめた。
 ほんの数秒、お互いの
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