九校戦編
第11話 見学のはずが
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ろをついていく達也が、七草生徒会長にひきづられているように見えるって、変なイメージだよな。イメージは魔法師にとって現実なんだから、勘違いはいけないよな。
服部先輩のバトル・ボードは、僅差で準決勝を抜けて、決勝戦へコマをすすめた。渡辺風紀委員長のバトル・ボードになって、達也がやってきて、競技を一緒に見ることになった。
競技相手には『海の七高』と呼ばれている、七高の選手が入っていて、ある意味、昨年の決勝戦のカードと同じだ。
スタートとともに渡辺風紀委員長と七高の選手が、ダッシュをきめている。その両者のそばでは、水面が激しく波立っている。2人が魔法を使っている証だ。服部先輩も渡辺風紀委員長と似たスタイルだが、水面に使っている魔法の種類は違うのだろう。
先行していた渡辺風紀委員長がカーブの最中にそれは起こった。七高の選手が減速するはずのところでの加速だ。オーバースピードだなんて、信じられない思いで見ていたが、その先にいた渡辺風紀委員長が、高度なターンをみせて七高の選手を受け止めようとしている。一安心できそうだが、渡辺風紀委員長が受け止めようとした瞬間に、バランスを崩した。
バランスのよさそうな渡辺風紀委員長が、人を受け止めようとしているところで?
そう疑問に思ったが、見えていたのは受け止めそこなって、2人が飛んでいった先には渡辺風紀委員長が、七高の選手を受け止めていたために、受け身も取れずにフェンスにぶつかるシーンだ。瞬間に僕ができることはと思い、立ち上がると
「お兄様!」
「行ってくる。お前たちは待て」
「一般医療機器レベルだが、生体波動を観る眼を持っている。達也、どうだ?」
円明流合気術の4段以上で、生体波動を見るのは必須の技能だ。体術の速度が遅くても、相手の筋肉の動きを事前察知できるゆえに、達也の体術をこちらも体術だけで、ある程度まではこなせる。合気術の思想の中に入っていることだが、知らない者も多い。
達也も一瞬考えたようだが、
「翔、きてくれ」
見知った一高のメンバーではなく、大会会場で大勢の魔法師が観ている。その中でエレメンタル・サイトを使うわけにもいかないだろう。達也も以外と身近にいる相手には甘いところがあるんだよな。
そんなところも考えていたが、達也とともに、渡辺風紀委員長の方へ向かった。
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