第8話 Accelerating Turn 3
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いく。
そして、遂に………
スパァン!と、短い音が響く。
その直後に、二人の姿がハッキリと見える。お互いに背を向けたまま、振り返りはしない。
そして、先輩の頬に一筋の傷ができた。
それは、サテライザー先輩の、ではない。
「っああああああああああ??????」
カンナヅキ・ミヤビの頬にだ。
絶叫を上げながら、彼女は地面に座り込む。たった一筋の傷でも、彼女には許せないほど大きな意味を持つ傷なのだろう。
その絶叫は、次第に笑い声へと変わる。
「やってくれるじゃないの……いいわ…本気でやってあげる!」
カンナヅキ先輩が何か合図を出した。
それと同時に、俺の行く手を塞いでいた取り巻きどもが、一斉に右手を翳す。
嫌な予感が走った。
『フリージング!』
その瞬間、俺の体に異常が起きる。
「っが??」
重いのだ。なんとか、膝をつくことは免れたが、動けない。地面には、ひし形のタイルが敷き詰められており、それがまるで俺を縛り付けるかのように脚にも張り付いている。
「な……んだよ、これ!」
フリージングと、奴らは言っていた。
おそらく、これがリミッターとしての役割なのだろう。ノヴァを拘束するためのリミッターに与えられた技術。
それをパンドラに使うなよ……
逃れようとするが、不可能だ。体が動かない。
それは、サテライザー先輩も、同じだった。
「くっ??」
「ほぉら、なにボサッとしてるの?」
フリージングの拘束によって、サテライザー先輩はアクセルを使えていない。
だが、あのリミッター達と契約まがいのことをしているカンナヅキ先輩は、いくらでも使えるのだ。
これではサテライザー先輩にとって、部が悪すぎる。
だが、それでも彼女はその刃を弾き、戦線から離脱しようとする。
それは正しい判断だ。フリージングが完全ではないこのタイミングに逃げるのは、正しい。
だが、一歩遅かった。先ほどよりも、体にかかる負荷が倍化したのだ。
「くぁっ………!」
サテライザー先輩が離脱しそうな姿に安堵したのか、脚から力が抜け、その場に倒れこんだ。
大丈夫。先輩が行ってくれれば、後は逃げればいい。
だから、少し目を瞑っても………
「手を??」
え?
ふらりと、閉じかけていた瞼をあげると、サテライザー先輩が俺へと手を伸ばしていた。
接触禁止の謳い文句は何処へやら……
その姿は、やはり、姉さんに、酷似していた。
「早く??」
ふらりと手をあげる。
だが……
「グァァ??」
半歩遅かった。俺たちに、フリージングが完全に掛かってしまったのだ。
「あらぁ?なに、もう動けないわ…け!」
「ガハッ!」
カンナ
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